ライフタイムバリューとは?計算方法やLTVを上げる3つの戦略
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進化する自動販売機、アプリ導入が変える自販機業界の未来とは
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進化する自動販売機、アプリ導入が変える自販機業界の未来とは
進化する自動販売機、アプリ導入が変える自販機業界の未来とは
自動販売機と連動したスマホアプリは数年前に登場し、その利便性から今尚一定の層から愛用されています。最近ではコカ・コーラの提供するCoke ONアプリに電子マネーとしてCoke ON Walletが導入されるなどその市場は盛り上がりを見せています。一方自動販売機の利用促進などが期待できる自販機アプリですが、最近ではサントリーがその事業から撤退を発表するなど良いニュースばかりではありません。本記事では改めて自販機アプリとは何か、またそれらがどのような強みを持つかマーケティング的観点から考えていきたいと思います。
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自販機アプリ(自動販売機連携アプリ)とは?
(明確に表す単語がないため、本記事では自販機アプリと呼ぶことにします。)自販機アプリとは各ドリンクブランドが提供する街中の自販機と接続して利用できるアプリのことを指し、自販機の利用でポイントを貯めることができたり、そのポイントを使って更に自販機で買い物ができたりします。また、アプリによっては様々なキャンペーンが用意されているなど、ゲーム要素も多く提供されています。(ゲーム要素、ゲーミフィケーションについてはコチラ:マーケティングに必ず取り入れたいゲーミフィケーションとは)
自販機アプリの導入は自販機の利用を促進するもので、普段から自販機を利用する人もそうでない人も楽しみながら自販機を利用することができます。また、継続的な利用が見込め、ロイヤリティ及びライフタイムバリューの向上も見込めると言えます。(ライフタイムバリューに関する記事はコチラ:ライフタイムバリューとは?計算方法やLTVを上げる3つの戦略)ここではいくつか実際の例を挙げたいと思います。
例
Coke ON
まず、最も代表的な自販機アプリの例としてコカ・コーラのCoke ONが挙げられます。コカ・コーラの自販機で利用でき、スタンプを15個貯めることでドリンク一本と交換できるというサービスを提供しています。スタンプは自販機の利用、ウォーキング、キャンペーン参加で集めることができます。
また、Coke ONの特徴として、Coke ON Payが挙げられます。Coke ONにキャッシュレス決済サービスを登録しておくと利用できるというもので、利用するとキャッシュレス決済サービスにもCoke ONにもポイントが貯まる仕組みになっています。更に、最近ではCoke ON Walletという独自の電子マネーも導入しており、銀行口座から1000円以上チャージするとチャージ金額の5%がポイントで還元されます。また、2023年内には自販機での現金チャージも対応予定のようです。
その他にも、Coke ONアプリ上でCoke ON Passというドリンクのサブスクサービスも利用することができます。月額料金を支払うと普通に購入するよりもお得にドリンクを購入することができるようになっており、例えばおトクプランMAXでは月額3300円で1日2本まで最大31本のドリンクを飲むことができます。
Smile STAND
ダイドーもSmile STANDというアプリを提供しており、ここでも同様自販機でドリンクを買うごとにポイントが貯まっていきます。ドリンク購入以外にもポイントはウォーキングで貯めることもできます。ポイントはクーポンやサービスと交換ができる他、PayPayポイントやLINEポイント等とも交換可能です。
GREEN+
サントリーもGREEN+というアプリを提供しています。こちらでもドリンクを買ったり、ウォーキングをすることでポイントが貯まるようになっています。特に、GREEN+では「健康」にフォーカスしており、一般のドリンク購入で1ポイント、トクホのドリンク購入で5 ポイントもらえる仕組みになっています。貯まったポイントは1ポイント1円換算で、ドリンク購入にも利用できます。ただ、GREEN+は2023年9月にサービス終了を予定しているようです。
自販機アプリの強み
これらの自販機アプリサービスは従来の自動販売機業界を大きく変えるものと言え、飲料ブランドはこぞってアプリの導入を行っています。自販機アプリの導入はユーザーに様々な利益をもたらすだけでなく、自販機運営側にも複数のメリットをもたらすでしょう。
自販機のイメージを変える
まず、アプリの導入により人々の自販機に対するイメージを変えることができると言えます。特に、これまで飲料はコンビニやスーパーで購入した方が安いケースが多く、自販機で飲料は購入しない人も多かったでしょう。その点、ポイント交換制度やサブスクの導入はお得さを際立たせ、そのイメージを変えます。この自販機のリブランディングとも言えるアプリ導入は、結果として自販機の利用をより促進するものとなっています。
利用頻度向上
初めに触れたように、多くの自販機アプリではドリンク購入によってポイントやスタンプが貯まるため、ユーザーはロイヤリティを持って継続的にアプリを利用することになります。サブスクの導入なども継続的な利用を促進しライフタイムバリューを向上させます。また、利用頻度向上と共についで買いが促進され、当たり前ですがブランド認知度も向上するため、更なる収益が見込めるでしょう。
情報収集
運営側として特にメリットと言えるのが情報の収集です。運営側はアプリの導入により、ユーザーの属性と自販機の情報を結び付けて確認することができるため、どのような人がどの地域でどのドリンクを買ったかなどの情報が分かります。そのような情報が分かると、各自販機で最適化された商品ラインナップを作成することが可能になり、売れ残りを減らせたり更に販売を促進できたりします。
まとめ
今回紹介した自販機アプリですが、非常に魅力的なサービスを提供していることが分かります。ポイント制度だけでなく、自販機に直接触れることなくドリンクを購入できるなど近未来感もユーザーから支持を集めている要因だと言えます。また、本記事でも紹介したように、コカ・コーラのCoke ONは数ある自販機アプリの中でも多くのサービスを提供しており一強状態であることが分かります。今後サービスを更に進化させていくとも発表しており、追っていきたいテーマの一つでしょう。
コカ・コーラに関連する記事はコチラ:コカ・コーラが売れ続けているワケ
参考:
コカ・コーラ “Coke ON”
ダイドー “Smile STAND”
サントリー “GREEN+“
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