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最近聞くCOP26とは?その開催に意義はあるのか
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最近聞くCOP26とは?その開催に意義はあるのか
最近聞くCOP26とは?その開催に意義はあるのか
今月のはじめから開催された第26回気候変動枠組助役締約国会議(Conference of The Parties) 、通称COP26が先週閉幕しました。世界の200ヵ国から、何千人もの政府関係者やビジネスパーソン、活動家たちが、開催地であるイギリスのグラスゴーに集まり、地球温暖化に歯止めをかけるための指針について、様々な話し合いが行われました。気候変動や環境問題は、ビジネスにおいても非常に重要な要素になっています。また、消費者の環境に対する意識の高まりから、マーケティングにおいてもサステイナビリティという視点が必要不可欠になっていくかもしれません。この記事では、COP26とは何か、またそこで示された環境問題の現状について見ていきます。
COP26とは、開催の意義
地球は、私たち人間による生誕や石油などの化石燃料ガスの排出によって、温暖化しています。その温暖化は近年世界各地で頻繁に起こる熱波や洪水、山火事などの異常気象につながっています。過去10年間は、記録上で最も気温が高くなっており、各国は早急に集団的な行動が必要であることで合意しています。
約30年前から、国際連合によって地球上のほぼすべての国の代表者が集められ、Conference of the parties (締約国会議)を意味するCOPと呼ばれる気候サミットが開催されています。しかし、その間に地球温暖化はどんどん深刻化し、いまや世界共通の最重要課題となっています。
地球の最重要課題の解決に向けて、国々が個々でどのようなアクションを起こすか、また集団的にどのような体制、ルールを作っていくかについて合意 (agreements) を目指すのが、イギリス主導で開催された今回のCOP26なのです。
目標に届かないパリ協定
2015年に開催されたCOP21では、パリ協定が採択され、気候変動による大惨事を起こさないために参加国すべてが地球の気温の上昇を2度以下に抑え、1.5度を目指すことで合意しました。加えて、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目指すとしました。
しかし、パリ協定の採択から6年たったいまも、気温上昇のスピードはあまり変わっていないのが事実です。国々が決定した気温の上昇を1.5度までに抑制という目標には、ほとんど近づいていません。
その現状を踏まえたCOP26では、参加した200ヵ国それぞれが再び、2030年までに温室効果ガスの排出量を削減するためにより積極的な計画を求められ、それに答えてそれぞれの国が独自の気候変動課題に対する新たな目標を宣言しました。イギリスを中心として、各国の経済や環境などの違いから様々な壁を乗り越えた交渉が行われ、その中で集団的にどのような目標を立て、政策を実行していくかが話し合われました。
国々の意見の衝突と課題
このように200か国が目標を公式に宣言していても、それらに対する拘束力がなく、各国の実行力に頼るしかないというのが実情です。自国の宣言に対して法的な拘束力を持たせている国はごく少数です。
また、国々の集団的な合意には、先進国と発展途上国の間で意見の衝突が見られます。発展途上国は、気候変動による被害を大きく受けている国が多く、それらの国々は1年ごとにガス排出量を示したレポートの提出を各国に求めるなど、より具体的で早急な対策を求めている一方で、石炭による火力発電の早期削減に渋る先進国もいたりと気候変動への危機感に温度差がみられます。
参考:
UK COP26 official website (https://ukcop26.org/uk-presidency/what-is-a-cop/)
The Guardian “COP26: What’s still be resolved in the week ahead” / Fiona Harvey (https://www.theguardian.com/environment/2021/nov/08/cop26-whats-still-to-be-resolved-in-the-week-ahead)
BBC News “What is COP26 and what was agreed at Glasgow climate conference?” (https://www.bbc.com/news/science-environment-56901261)
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