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増える消費者の役割-インフルエンサー、KOL、プロシューマーとは
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増える消費者の役割-インフルエンサー、KOL、プロシューマーとは
増える消費者の役割-インフルエンサー、KOL、プロシューマーとは
これまで企業は製品・サービスを提供し、消費者はただそれらを消費するだけでしたが、近年では消費者の役割が増加しています。その代表例がインフルエンサーでしょう。また、インフルエンサーと同様の意味合いで混同されがちな概念としてKOLが挙げられます。本記事では改めてインフルエンサーやKOLとは何か、また消費者の新しい役割としてのプロシューマーについても取り上げ考えていきたいと思います。
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インフルエンサーとは
インフルエンサー(Influencer)とはその名の通り大きな影響力を持つ人物を指します。テレビタレント、スポーツ選手、ブロガーなどの人たちが広義としてのインフルエンサーに該当します。ただ、最近では芸能人を除いたブロガーやYoutuber、Instagramer、TikTokerなどのSNSユーザーを指す言葉として用いられています。多くのフォロワーを持つアカウントはその分影響力や発信力があるため、インフルエンサーとしての力が強いと言えます。また、近年よく耳にするインフルエンサーマーケティングとは、そのインフルエンサーに製品・サービスを紹介してもらうマーケティング手法です。
増加の背景
最近では若者を中心にテレビを見ない人が増加しているため、フォロワーを多く持つインフルエンサーにSNSなどで製品・サービスを紹介してもらうケースが増えています。また、インターネット上などで情報が行きかう現代では、一定のジャンルに特化したインフルエンサーの声は一般的な広告よりも信ぴょう性が高い場合が多いため、消費者は思わず聞き入れてしまいます。
また、インフルエンサーは多くの場合一定のジャンルに特化した情報発信を行っているため、フォロワーの層も同様に一定のジャンルに興味がある場合が多いです。そのため、インフルエンサーマーケティングではターゲティングが可能になり、企業はより高いコンバージョンを求めインフルエンサーに依頼します。
KOLとは
KOL(Key Opinion Leader: キーオピニオンリーダー)とは、その名前が示すように一定の領域で影響力のあるオピニオンリーダーです。インフルエンサーと似た概念として捉えられていますが、そこには「高い専門性を持つ」という明確な違いがあります。というのも、KOLは日本では元々医療・製薬業界で用いられている言葉であり、製薬企業の販売促進活動を行う医者や薬剤師などの人々を指す言葉です。日本では主に薬の紹介を行ったり正しい用法を世間に紹介したりする人々を指しますが、海外から入ってきた概念と混ざりそこからインフルエンサーと混同して用いられるようになったように感じます。
ただ、KOLは深い専門性を持ち、製品・サービスを紹介する際にもエビデンスに基づいた紹介を行うためインフルエンサーよりも信ぴょう性があり説得力があるという違いがあります。また、インフルエンサーがSNS上などで発信を行う一方で、KOLはテレビの情報番組などで専門家やコメンテーターといった立場からコメントをします。KOL増加の背景としてはインフルエンサー同様だと言えますが、専門家の意見はいつの時代も世間から求められるものであり、最近特に現れた新概念という訳ではないかもしれません。
プロシューマーとは
プロシューマー(Prosumer: 生産消費者)とはProducer(生産者)とConsumer(消費者)を組み合わせた生産活動を行う消費者を指す造語です。上記二つの宣伝活動に勤しむ消費者とは異なり、プロシューマーは製品開発に携わる消費者のことを指します。
増加の背景
最近ではインターネットやSNSの普及により生産者と消費者の距離が以前よりも縮まっており、消費者は企業に自身の声を届けやすくなりました。生産者に対しどのような製品・サービスを提供してほしいか意見を出すことでそれが反映され、消費者は間接的に製品開発に携わったことになります。逆に、企業が製品開発の段階で消費者からの声を募集するケースもあります。そうすることで企業も実際に需要のある製品・サービスを生み出すことができ、企業と消費者両者にメリットがもたらされるでしょう。特に最近では消費者の需要が多様化していることもあり、実際に消費者から意見を聞く方が手っ取り早いケースがあるかもしれません。
また、企業に生産してほしいものを意見するにとどまらず、自分たちで生産して販売する人についてもプロシューマーと呼びます。例えば、メルカリなどのサービスで自身で作った手芸品などを販売する人などを指します。このような人たちは消費者としてメルカリを利用している一方で生産者・販売者という立場でもあるためプロシューマーに該当します。フリマアプリのように消費と生産両方ができるサービスが登場したこともプロシューマー増加の要因と言えるでしょう。
まとめ
今回紹介したように、近年では一概に消費者と言っても従来の消費を行うだけの消費者でない場合があります。インフルエンサーのように実際に製品・サービスを試してそのレビューを発信する人、KOLのように専門家の立場から製品・サービスの評価を発信する人、プロシューマーのように消費しながらも製品・サービスの製造に携わる人など、様々な消費者がいます。本記事では消費者の役割という括りで三つの概念を紹介しましたが、インフルエンサーとKOLには評価を発信するという共通点がある一方で、プロシューマーはまた別の概念だと言えます。
また、インフルエンサーとKOLについてより深く考える際、ステマ問題についても注意しなければならないでしょう。こちらの記事「それ誤用かも?今更聞けないステマ(ステルスマーケティング)とは」で以前ステマについて取り上げましたので是非合わせてご覧になってみてください。
参考:
Skai “A Strong Go-to-Market Strategy: Key Opinion Leaders (KOL)“
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