ブランドストーリーでブランドを語ってはいけない?
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今までと違うZ世代向けマーケティングで大切な3つのこと
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今までと違うZ世代向けマーケティングで大切な3つのこと
今までと違うZ世代向けマーケティングで大切な3つのこと
Z世代とは、主に2019年において7歳から22歳の子ども、若者の世代と定義されています。その基準では、Z世代の中で最も年齢の高い人たちでも、生まれたときにはもうインターネットが存在していました。さらに、10歳の頃にはスマートフォンが普及していました。
このような若い世代にとって、テレビやラジオ、雑誌は実質的に過去の産物であり、今はスマートフォンやYoutube、Instagram、TikTokなどのプラットフォームが主流のメディアであると言えます。そのようなプラットフォーム上のコンテンツは、移動中や作業の合間などに消費され、その長さもたいていは数十秒程度の短いものです。
その結果、ブランド認知を高めるためのマーケティング手法や若者世代の顧客とのつながり方が大きく変化しています。様々なブランドがZ世代の注目を惹こうと翻弄するなか、今までと変わらない広告宣伝の手法を使い続けるのではなく、Z世代の傾向を理解した上で施策をアップデートさせていくことが重要になります。そこで、以下ではZ世代に訴求するために、大切な3つの基本を説明します。
1.ブランドの価値をそろえる
Z世代とつながるためには、ブランドの価値を彼らが持つ価値観にそろえる必要があります。アメリカのブランド調査会社であるMorning ConsultのCEOであるMichael Ramlet氏は、
「今の若い世代は、ブランドに対してその上の世代よりももっと多くの価値を求める傾向がある。旅行先でインスタグラムに載せる写真を撮るために買う新しい靴を選ぶときなど、商品が物質的な価値以上の様々な価値を反映しているものであるという認識が高まっている。そのため、ブランドは自分たちの持つ価値についてきちんと把握しアピールすることが大切。」
と述べています。
Ramlet氏の言う「ブランドの価値の把握とアピール」の具体的な例として、一昨年にNikeが行ったブランドキャンペーンがあります。このキャンペーンでは、広告塔としてコリン・キャパニックというアメリカンフットボール選手を起用しました。キャパニック選手は、2016年に行われた試合で、国内の人種差別に抗議の意を示すためにの国歌斉唱の際の起立を拒否したことで話題になっていました。このキャパニック選手の抗議活動に対しては、賛否両論であり、Nikeのキャンペーン当初は一部でボイコットされました。しかし、キャパニック選手の行動はZ世代から多くの支持を得ていたために、このキャンペーンは結果的にNikeのブランド価値の向上につながっただけでなく、これからNikeの商品を買い続けてくれるポテンシャルのある若い世代に効果的にアピールできたのです。
2.宣伝はもう古い、これからはインフルエンス(影響)を与える
これまでの何十年間、広告宣伝(Advertising)はマーケティングにおいて最大の手法でした。しかし、近年それは変わりつつあり、広告に対して2つの問題が浮き彫りになっています。
1つは、世の中に広告がア振り返ってしまっていることです。いたるところに広告があるために、1つ1つの広告のインパクトが無くなってしまいます。また、デジタルの広告においてはスキップや非表示にすることができる点が、広告のインパクトの低下につながっています。
もう一つの問題は、広告が一方通行のコミュニケーションであるという点です。ブランド側から消費者にメッセージを発信するのみで、消費者からブランドに対するメッセージはくみ取れません。一方で、Z世代のデジタル社会では、相互のコミュニケ―ションが全てです。リアルタイムで、顧客はブランドが発信するメッセージやコンテンツに対して「いいね」やコメント、シェアなど様々な反応を見せることができます。このような口コミやシェアなどの力によって生み出された新しいタイプのマーケティングこそ、インフルエンサーマーケティングなのです。
Business Insiderによると、インフルエンサーマーケティングの市場は2022年までに150億ドルに成長すると言います(2019年における市場規模は80億ドル)。ブランドに適したインフルエンサーとつながることで、より効果的な方法でZ世代に広くアピールすることができます。
3.新しいモノに敏感でいる
ブランドがFacebookやYoutubeなどのプラットフォーム向けのチームや戦略を立て、オンラインに移行しようとする中で、マーケティングの景色を塗り替えるような新しいテクノロジーやプラットフォームについて常に敏感であることが必要です。
その一つの例として、アメリカのフットボールリーグ、NFLとTikTokのパートナーシップがあります。TikTokは、数十秒の短い動画を投稿するSNSで、若いZ世代を中心に利用されています。2019年上四半期で3番目に多くダウンロードされたアプリです。NFLは、若者がテレビを見なくなっていて、さらにスポーツをする若者も減少傾向にあることから、若者とのつながりを強化することが大きな課題です。そこで、TikTokとコラボし、NFLのハッシュタグやコンテンツなどを通してZ世代の認知・関心を高め、エンゲージメントを狙ったキャンペーンを行っています。
このようなルールから分かるように、テクノロジーの出現によってZ世代はそれ以前の世代とは大きく異なる特徴を持っています。若者の消費について課題があるブランドは、これまでのマーケティングの考え方や手法に加えて、上記の考え方を取り入れてみる必要があります。
参考:Forbes “The New Playbook For Gen Z Marketing” / Joe Gagliese (https://www.forbes.com/sites/theyec/2019/10/22/the-new-playbook-for-gen-z-marketing/?sh=6a3f3a0050b3)
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