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売上伸ばし続けるマクドナルドの顧客ロイヤリティ新戦略とは

売上伸ばし続けるマクドナルドの顧客ロイヤリティ新戦略とは

投稿日:2021年11月4日/更新日:2021年11月5日

世界的に見ても、新型コロナウイルスの被害を最も受けている業界の一つとして飲食業界が挙げられますが、中には売上を伸ばし続けている企業も存在します。例えば、マクドナルドはコロナ禍の中でうまく立ち回っており、今年7月より本拠地アメリカでは新たなデジタルサービスであるロイヤリティプログラムを開始しました。新サービスは現在好調らしく、本記事ではその概要と、どのような効果があり何が成功に繋がっているのか考えていきたいと思います。

 

新サービスの概要

以前より米マクドナルドはMy McDonald’sというアプリを用いたサービスを展開しており、アプリ内注文とアプリ内決済を促進してきました。コロナ禍における非接触のトレンドに対応したサービスであり需要も高く、売上増加に貢献したサービスだと言えます。また、今年7月よりMy McDonald’s内でロイヤリティプログラムを開始し、今回はこれを取り上げたいと思います。

ロイヤリティプログラム(McDonald’s Rewards)とは所謂ポイントサービスであり、商品を購入したらそれと一緒にポイントが付与され、そのポイントでまた商品を購入できるというものです。具体的な相場としては1ドルあたり100ポイントが付与され、チーズバーガーなどの商品であれば1500ポイントで購入できるようです。特定の商品(ハッピーセットなど)を購入の場合は6000ポイントが特別に付与され、また初回特典として、サービス新規加入者には1500ポイントが付与されます。

しかし、それだけでなくデジタルを用いての個人対個人の繋がりも強化しており、データドリブンなマーケティングを可能にしています。過去の購入データからそれぞれの顧客の興味に沿ったメールを送るなどのサービスも提供しており、顧客への消費を促しています。その他にも、顧客データを顧客の目に見えるサービスにも反映しており、顧客を実際の個人名で出迎えるなどの取り組みも行っているようです。

 

効果

米マクドナルドは7月よりMcDonald’s Rewardsを導入し、効果として2000万件以上の登録があり成功を収めました。また、サービスの展開により定着率も上げることができ、売上も順調に伸ばしています。特に、定着率に関してはポイントを付与してそれを使用してもらうというビジネスモデルの狙い通りで、顧客の来店及び消費を促しています。

また、今回の取り組みにより、顧客の消費を促せただけでなく、顧客データも取得することができました。これにより、より顧客のニーズに沿った商品開発が可能になる他、より高精度なターゲティング及びマーケティングが可能になることが予測され、長期的に見ても効果的なサービスだと言えます。

顧客のニーズに合わせた活動を行い、それを高精度で発信することで顧客ロイヤリティを高めることができ顧客との関係を維持することができるでしょう。

 

まとめ

今回は米マクドナルドにおけるMcDonald’s Rewardsを紹介し、顧客ロイヤリティについて触れました。特に、マクドナルドの展開するロイヤリティプログラムは既存のアプリと連携するなどしてデータを有効に活用しています。これによりデータドリブンなマーケティングが可能になり、より高品質な顧客サービスを提供することができています。日本での実装はまだ行われていませんが、近いうちに行われることも予想されており、そうした場合Dポイントや楽天ポイントなどをはじめとした既に使用されているポイントカードとの棲み分けが必要になってくるかもしれません。最先端を行く大手飲食チェーンであるため、どのような対応を行うのか今後とも目が離せないトピックになっています。

 

参考:

CNBC “McDonald’s Will Launch its Loyalty Program Nationwide in July

AdAge “McDonald’s Loyalty Program is Off to a Strong Start

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