今や常識のツーサイドプラットフォーム、その落とし穴とは

今や常識のツーサイドプラットフォーム、その落とし穴とは - Truestar Consulting Group

今や常識のツーサイドプラットフォーム、その落とし穴とは

近年サブスクリプション型ビジネスやプラットフォームビジネスは一般的なビジネスの形になってきており、様々なメリットを持つため注目を集めています。特に、プラットフォームビジネスはこれまで一般的だった「企業が顧客に製品・サービスを提供する」という形を取らず多くの場合「2つ以上のユーザーグループにプラットフォームを提供する」ため、一度成功すると軌道に乗りやすいとも言われています。一方で、複数のデメリットも存在します。本記事ではツーサイドプラットフォームのデメリットにも着目し、成功させるコツについて考えていきたいと思います。

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ツーサイドプラットフォームとは

ツーサイドプラットフォームとはその名の通り2つのユーザーグループに対して提供されるプラットフォームです。例えば、メルカリでは売り手と買い手を結びつけるようなプラットフォームを運営しています。また、Amazonも同様にAmazonマーケットプレイスを運営しており、Amazonのプラットフォーム上で第三者が製品を販売することを許可しています。

ツーサイドプラットフォームは決してECサイトだけに見られるものでもありません。例えば、Uber Eatsなどのフードデリバリーサービスも配達員と料理を注文するユーザーとを結びつけるプラットフォームと言えます。

 

メリット

2つのユーザーグループ(市場)にプラットフォームを提供するツーサイドプラットフォームですが、以下のようなメリットがあって成り立っているサービスだと言えます。

比較的低いコストで運営が可能

まず、プラットフォームビジネス全般に言えますが、比較的低コストでサービスを運営することが可能です。というのも、ECサイトのプラットフォームビジネスにしても、実際の製品は扱っておらず、多くの場合土地なども必要ありません。必要な費用としてはシステムの構築費にとどまる場合はほとんどと言えます。

ネットワーク効果が働く

ツーサイドプラットフォームの一番の強みはネットワーク効果にあると言えます。ネットワーク効果とは、サービス利用者数が増えるとそれに比例してサービスの価値が増す状態のことを指します。ネットワーク効果が働く製品の代表例として固定電話が挙げられます。固定電話は人々の間で普及するに伴い固定電話の価値が高まっていき、更に需要が加速していく製品だと言えるでしょう。

ツーサイドプラットフォームではそのような一般的なネットワーク効果に限らず、ツーサイドでのネットワーク効果が働きます。2つのユーザーグループに対しサービスを提供するため、片方のユーザーが増加するともう片方のユーザーにとってもサービスの価値が高まります。例えばフードデリバリーサービスであれば、料理を注文するユーザーが増えることは配達員にとってプラットフォームをより魅力的なものにし、配達員も増加していくでしょう。逆もあると言えます。

また、データも同様に蓄積されていき、ユーザーが増えるとサービス改善に繋がるでしょう。そのため、一度成功すると軌道に乗りやすいビジネスだとも言われています。

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デメリット

一度一定のユーザーを集めることができると軌道に乗りやすいと言われるツーサイドプラットフォームですが、デメリットも存在します。

ユーザー収集の困難さ

ツーサイドプラットフォームでは、片方のユーザーグループの人口が増加するともう片方のグループも比例して増加すると言いますが、2つのユーザグループに対してアプローチを行うことはやはり容易なことではありません。特にプラットフォームを立ち上げた初期段階においては、顧客にとってプラットフォームを利用するメリットが少ない場合が多いでしょう。そのため、需要を意識したりするだけでなく、UIを改善するなど魅力的なプラットフォームを築く必要があるでしょう。また、一時的にクーポンなどを発行して集客するのも一つの手かもしれません。

責任の所在の明確性

責任の問題はプラットフォームビジネス運営において問題に上がることが多いです。というのも、一般的な取引においてプレイヤーは2グループしかいないものの、ツーサイドプラットフォームではプラットフォーマー(プラットフォーム提供者)を含む3プレイヤー存在します。ECのプラットフォームを例に出してみると、プラットフォーマー、商品を買うユーザー、商品を売るユーザーがそれぞれ存在します。こうしたとき、例えば売り手が詐欺のような行為を働くと、被害を被った買い手は売り手に対してだけでなくプラットフォーマーに対しても不信感を抱くかもしれません。そのため、事前にプラットフォームを利用するにあたってのルールを定め、責任の所在をあらかじめ明確にしておくことが重要でしょう。

 

成功のカギ / まとめ

ツーサイドのプラットフォームビジネスを成功させるためには今回挙げたデメリットについて考えると同時に、どのようにしてメリットを最大限に活かすか考える必要があるでしょう。特に、ネットワーク効果はツーサイドプラットフォーム最大の強みとも言えます。そのため、一度大きく成功させることが第一の目標とも言えるでしょう。ただ、クーポンを一時的に何も考えずに大量発行するなど短期的な戦略になってしまっては本末転倒とも言え、長期的な成長を見据えて戦略を練る必要があります。また、軌道に乗った後には他のプラットフォームにユーザーが流れていかないよう、スイッチングコストを生むような施策等を取ることが求められるでしょう。

 

参考:

Diamond Online “プラットフォームの成長に欠かせない「ツーサイド・ネットワーク効果」とは何か