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マクドナルドも本格的に取り組み開始、脱プラに意味はあるか
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マクドナルドも本格的に取り組み開始、脱プラに意味はあるか
マクドナルドも本格的に取り組み開始、脱プラに意味はあるか
近年多くの企業は自然環境に配慮した取り組みを行っており、脱プラスチックもその一つだと言えます。特に、最近では日本マクドナルドもプラスチック製のストローやフォークを紙や木製のものに置き換える取り組みを全国的に開始しました。本記事では近年多くの企業が取り組む脱プラについて取り上げ、取り組みを行う際の留意点について考えていきたいと思います。
関連記事:企業にとってのESGとは—取り組むための3ステップ
脱プラスチックとは
脱プラスチック(脱プラ)とはその言葉通りプラスチックをなるべく使わないようにしたり、別のもの(紙や木など)で代用したりする取り組みのことを指します。広義では個人的な取り組みや国家的な取り組みも含まれますが、本記事では企業の取り組みとしての脱プラに限定して取り上げます。自然環境に配慮した企業運営を行うという意味でESGやCSRなどの活動に該当するでしょう。
企業が脱プラを行う目的としてまず自然環境保護が挙げられます。プラスチックは安価な上加工も簡単というメリットがある一方で、地球温暖化や海洋汚染の原因になるとされており、それに対する取り組みは最近では企業の果たすべき社会的責任とされています。また、顧客の信用を勝ち取るためにマーケティングとして用いられているのも否定できません。特に、近年海外を中心に若い世代は環境問題に熱心であり、その層を取り込む目的でパフォーマンスのような形で脱プラを公言している企業も少なくはありません。
企業の取り組み例
特に話題になった企業としてスターバックスが挙げられます。スターバックスは海外の店舗だけでなく国内でも脱プラを推進しています。従来のプラスチックストローを紙ストローに置き換えたのは話題になりましたが、その他にも一部ドリンクをホット・アイス兼用の紙製のカップで提供するなど行っています。また、マイタンブラーの持参も促進しており、熱心に取り組んでいることが分かります。
最近話題になっているのがマクドナルドです。国内の一部の店舗で試験的に導入していた紙ストローや木製のスプーン・フォークですが、これを順次全国の店舗に拡大し、活動を本格化していくと最近発表を行いました。特に、マクドナルドはこれまで環境への配慮が足りていないと一部では言われており、このような取り組みの発表は良い意味でも悪い意味でも世間の注目を集めたと言えます。
そのほかにも、ファミリーマートも2022年10月よりプラスチック製フォークの提供を国内で原則廃止すると発表しました。フォークの代わりに竹箸の提供を行うとしており、利便性に関係してくる部分でもあるため、賛否両論が巻き起こっています。
賛否両論
品質に関する賛否
企業の脱プラの活動に対して常に賛否両論が起こっています。理由の一つは、製品・サービスの品質に関する問題です。例えば、最近普及し始めている紙ストローですが、「ドリンクの中に長時間浸し続けたらふやけていく」「ドリンクがおいしくなく感じる」といった声があるのも事実です。また、ファミマのフォーク廃止に関しては実際に廃止される前から「パスタは何で食べたらいいんだ」といった声も寄せられています。このように、脱プラを行うと製品・サービスの品質に対しても影響を及ぼす場合があり、それに対し批判的意見を寄せる人も存在します。その一方で、環境保護のためにはある程度の品質低下は許されるべきという声があるのもまた事実です。そのため、難しいことではありますがなるべく全ての顧客に向けて納得のいく説明を行う必要もあると言えるでしょう。
脱プラはパフォーマンスか
ただのマーケティング的なパフォーマンスだと批判の対象になる場合もあります。その際、多くの場合は企業の活動に一貫性がないことが理由として挙げられるでしょう。例えば、ストローは紙製なのにカップが全てプラスチック製であったり、製品は脱プラされていても梱包に過剰な量のプラスチックが用いられていたりする企業などがそれに該当します。また、製品は脱プラしているのに製造過程が環境汚染に繋がっているというのも問題でしょう。これは顧客の見える部分だけを良くしているようにも受け取ることができ、パフォーマンスだと言われても仕方ありません。そのため、脱プラを含め環境に配慮した活動を行う場合、矛盾がないか今一度確かめ本質を見直す必要があるでしょう。
まとめ
本記事で事例も交えて紹介した脱プラに関する企業活動ですが、賛否両論があるのも事実です。特に、そのような活動を行う企業の中では本来の目的を見失っている企業もあります。注目を集めることや新規顧客獲得ばかりに目がいっている企業も多く、活動に一貫性が欠けている例などが散見されます。そういった場合、企業はかえって批判の対象になり得るため、マーケティング的な観点から見てもブランドイメージ低下に繋がるため良い活動ではないと言えるでしょう。真摯に環境問題に向き合うことがブランドイメージ向上及び利益向上に繋がると言えます。
参考
Yahoo!ニュース “ファミマ「フォーク廃止」で利用者たちの反応様々 「パスタが心配」「有料化して残して」”
Yahoo!ニュース “マクドナルド、紙ストロー・木製スプーンなどの提供店舗拡大へ…プラ削減“
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