Blog/Opinion

BX(ブランドエクスペリエンス)、CX、UX、結局何が違う?

BX(ブランドエクスペリエンス)、CX、UX、結局何が違う?

投稿日:2022年7月11日/更新日:2022年7月11日

近年飛び交う〇Xという単語ですが、すべて把握できている方はそういないかもしれません。特に、Xはトランスフォーメーションやエクスペリエンスのように複数の意味を持ち、多くの人を混乱させているでしょう。また、BXを取ってもBusiness Transformation、Business of Experience、Brand Experienceと複数の言葉を指します。本記事ではBrand Experienceを意味するBXを取り上げ、類似概念であるCXとUXについても関連性を明確に伝えられたらと思います。

関連記事:マーケティングミックス「7P」の戦略と4Pとの違いを解説

 

BX(Brand Experience)とは

ブランドエクスペリエンスとは和訳するとブランド体験を意味し、ブランドから得られる体験全般を指します。ブランドを認知する段階から始まり、製品・サービスの購入及び使用、またアフターサービスを含むすべての体験を総合的にBXと呼びます。「ドリルの穴から学べる事とは -近視眼的マーケティング-」でも触れたように、消費者は製品・サービスが欲しい訳ではなくそこから得られる「体験」を欲しています。そのような考えを基に生まれた概念でしょう。特に、一昔前では製品・サービスを作ってそれを消費者に購入してもらうことが最重要視されていましたが、現代では「購入」の前後もブランドにとって重要な要素になっています。

例えば、製品・サービスを購入していない、また購入を検討してすらいないただのテレビ視聴者に届けられるTVCMも視聴者にとってはBXとなります。また既に購入しているユーザーに対して行われるアフターサービスもBXの一部です。そのため、より良いBXを提供することは顧客の獲得に繋がるだけでなく、現ユーザーのロイヤリティ向上に繋がり、結果として製品・サービスの継続利用にも繋がるでしょう。

製品・サービスを利用する、利用し得る人たちだけでなく、業界全体や自社の従業員など限りなく広い範囲にも提供されるのがBXの特徴です。

関連記事:

アフターサービスで差をつける?カスタマーサクセスとは

顧客は来店前に意思決定を終えている?Googleの唱えるZMOT

 

CX(Customer Experience)とは

カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)とはその名の通り顧客が企業から得られる体験を全般指します。BXと似ていますが少し異なります。顧客とは言い方を変えると購入者であり、製品・サービスの購入を検討している人から既に購入した人までを指します。つまり、BXとの大きな違いはカバーする範囲であり、CXの方がより狭まっていると言えます。製品・サービスを購入する前の段階から購入後のアフターサービスを含む体験全般から得られる体験を指します。

 

UX(User Experience)とは

ユーザーエクスペリエンスとはユーザーが製品・サービスから得られる経験を指します。UXはCXと混同されがちな概念ですが、大きな違いが存在します。と言うのも、ユーザーは購入者である顧客と異なり、実際に製品・サービスを利用している人のことを指します。つまり、ユーザーは顧客ですが顧客はユーザーとは限らないということです。また、UXではBXやCXのようにブランドや企業から得られる体験ではなく、製品・サービスから得られる具体的な体験に注目します。

また更に、UXと似た概念としてUI(User Interface: ユーザーインターフェース)が存在しますが、ユーザーと製品・サービスとの接点を指す言葉で、これはより具体的な概念です。Webサイトやアプリで主に用いられる概念で、例えば提供するサービス内の視認性やデザインなどを指します。より具体的に言うと「見やすい位置にメニューボタンがある」「フォントが統一されている」などが挙げられます。

 

それぞれの関連性 / まとめ

今回紹介したBX、CX、UX、またUIですが、それぞれの関係性をまとめると以下のようになります。BXを一番の上位概念とし、対象範囲と内容がどんどん狭まっていくイメージです。

BX > CX > UX > UI

また、BXを改善するにあたり重要なのはCX、CX改善にはUX、UX改善にはUIということがここから分かるでしょう。例えば、BX改善を考える際、ユーザーばかりに注力していてはまだ購入していない層を蔑ろにしてしまい、広い層へブランド体験を提供することができません。また、CX改善にあたる際、UIばかりに気を取られているとその他のUXの要素を取りこぼしてしまいます。

色々とあってややこしいこれらの概念ですが、今一度意識してブランドの構築を行ってみてはどうでしょうか。特に、BXは顧客獲得だけでなく顧客ロイヤリティ及びブランドイメージ向上にも繋がります。ただ、消費者からのブランドイメージを把握することは難しいことです。我々TCGではそれらを総合的に把握し戦略構築の支援を行うサービス「NEEL」(詳細リンクはコチラ)の提供を行っています。また各種コンサルティングも行っていますので、是非お気軽にお問い合わせください。

scroll