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アフターコロナに経験価値マーケティングは必須?企業事例3つ紹介
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アフターコロナに経験価値マーケティングは必須?企業事例3つ紹介
アフターコロナに経験価値マーケティングは必須?企業事例3つ紹介
経験価値マーケティングとは?
経験価値マーケティングとは、商品・サービスそのものの価値だけではなく、それらの利用や体験を通して消費者に価値を与えるマーケティング手法です。企業がリアル空間でのイベントを開催し、消費者との交流や実体験を提供したり、インフルエンサーが商品・サービスの使用感を発信したり、といったことが経験価値マーケティングに含まれます。
近年のデジタル化やコロナ禍による生活様式の変化により、消費者が商材に求める価値・メリットは変わりつつあります。従来の商材そのものの良し悪しにより購入・利用をする「コト消費」から、現在では商材の購入・利用を通して価値のある体験をする「モノ消費」や、その時にしか得られない感動や体験を消費する「トキ消費」へと変化しています。
誰でも簡単に商材を提供できるようになった現代において、競合商材との差別化・脱コモディティ化を図るために経験価値マーケティングは欠かせません。このような消費者の情緒や感性にアプローチする経験価値は、経験経済ともいいます。
経験価値を構成する5要素
経験価値は以下の5つの要素により構成されます。
■SENSE
SENSEとは視覚、聴覚、嗅覚、味覚、食感といった消費者の五感に与える経験です。飲食店を例に挙げると、料理の美味しさや盛り付けだけでなく店舗の内装やBGMなどからも消費者に対してアプローチを行う方法です。
■FEEL
FEELとは、消費者の心に与える経験です。消費者の心を動かす丁寧な接客、今までにない商材の提供といったように、消費者の感情に訴求します。
■THINK
THINKとは、消費者の考え方に影響を与えることです。創造的・認知的な経験価値とも言われ、商材を実際に利用した場合に得られる感動を消費者に思い浮かばせることで、興味を持たせる必要があります。消費者の悩みやニーズを理解したキャッチコピーやプロモーションがこれに該当します。
■ACT
ACTとは、商材の購入や利用により得た体験を通じ、消費者が何らかの変化や効果を感じることです。美容品やジムといった、身体的に効果のある商材が分かりやすい例です。
■RELATE
RELATEとは、商材を利用した消費者同士の交流やコミュニティにより得られる経験です。交流により仲間意識や共感が芽生え、その商材に対するイメージアップや所属意識を持たせることができます。消費者が集まり交流できるイベント等が該当します。
以上の5つの要素を商材の付加価値とすることで、消費者に経験価値を与えることが重要です。生活様式や人々の消費行動が大きく変化し続けるアフターコロナ時代においては、この経験価値マーケティングはどのように役立つのでしょうか。次の章からは、消費者行動の変化に見られる5つの傾向と、どのように経験価値マーケティングを取り入れるべきかについて解説します。
アフターコロナ時代の消費者行動
コロナ禍を通し、私たちの生活様式や働き方、消費の仕方は大きく変化しました。個人の価値観やライフスタイルの変化の仕方は多岐に渡りますが、その中で見られる5つの傾向について経団連は以下のようにまとめています。
消費者の行動や意識の変化の5つの傾向
- コロナ禍の健康と暮らしの安全・安心に向けた取組み
- 多様な働き方に合わせた場所・空間、ワークスタイルの提案
- 「巣ごもり消費」等の生活の充実に向けた提案
- デジタル取引・コミュニケーションの変化等に合わせた利便性の提供
- リアルの場所・体験ならではの価値の提供
引用: 経済団体連合会「コロナ禍を受けた消費者の行動や意識の変化と企業の取り組み」
1~4は主にコロナ禍やデジタル化の影響を受けて登場した従来にはない傾向であるのに対し、5のリアルな場所・体験ならではの価値は以前から注目されており、近年になって重要さが再注目されていると考えられます。ウィズコロナ時代ではオンラインショッピングやオンラインでのトキ消費が生活の大部分を占めましたが、リアルには替えが効かないためアフターコロナ時代において消費者のニーズが高まると考えられます。
以下では、5のリアルの場所・体験ならではの価値の提供、つまり経験価値の提供について、アフターコロナ時代にどのように行うかについて事例を用いて説明します。
アフターコロナ時代における経験価値マーケティングの重要性
アフターコロナ時代において、消費者の体験そのものの価値である「経験価値」を生み出すマーケティングは重要であると言えます。
ウィズコロナ時代では、パンデミックによりデジタル化や新しい生活様式・働き方の確立が進み、オンライン上で購買行動やサービス利用が浸透しました。また、メタバースの技術により人々がまるで同じ空間にいるような感覚になったり、VR技術により海外など遠くの場所に行った感覚になれることもあります。もちろんそれらの消費者行動を通しても、楽しさや感動といった感情を味わうことは可能です。
しかし、五感や他者との交流・共感といった観点では、実際の場所・空間とオンライン上とでは異なります。コロナ禍を通して生活様式は大きく変化しましたが、制限されたからこそリアル空間でしか得られない体験の価値が再認識されています。
そこで、商材の購入や利用といった体験を通して消費者に価値を与えるために経験価値マーケティングは重要になります。
以下では、経団連の消費者の行動や意識の変化の5つの傾向のうち「5のリアルの場所・体験ならではの価値の提供」、つまり経験価値の提供に焦点をあて、アフターコロナ時代にどのようにリアル空間での経験価値マーケティングを行うかについて事例を用いて説明します。
経験価値をいかに提供できる?企業の経験価値マーケティングの事例3つ
商品の購買やサービスの利用に、付加価値としてリアル空間での体験の提供が注目されています。ここでは、成功した経験価値マーケティングの企業事例を3つ紹介します。
アディダス ブランドコアストア 新宿
引用:Sportie.com
アディダス ブランドコアストア 新宿は、2017年10月に新宿にオープンされた体験型店舗です。店舗では、シューズやトレーニングウェアを試着した状態で、実際のスポーツをしている環境を体験することができます。シューズを着用して蹴ったボールのスピード計測や、キックタッキングゲーム、個人に合ったシューズのカスタマイズなどが体験できます。
参照:Sportie.com
アディダスブランドコアストア新宿
ほとんどのアパレルショップでは試着することができますが、その中でも試着をした状態でスポーツを体験できるという点で他社と差別化し、経験価値を消費者に与えている事例です。
CHOOSEBASE SHIBUYA
引用:CHOOSEBASE SHIBUYA 公式オンラインストア
CHOOSEBASE SHIBUYAは、2021年9月に渋谷にオープンした、商品を売らない店舗です。アパレルや食品、コスメ、日用品などの多岐にわたるジャンルのブランドが複数扱われており、訪れた消費者は商品を手に取り、商品の香りや手触り、サイズ感を確かめ、お気に入りの商品やブランドを探すことができます。その後、それぞれのブランドサイトでの購買に繋げるといOMO(Online Merges with Offline)を採用しています。
CHOOSEBASE SHIBUYAでは五感を刺激するようなフロアや、最新テクノロジーを用いた購買体験ができるフロアなどからなっているため、オンラインでのショッピングでは感じられない感覚や楽しさを味わえるでしょう。
参照:https://choosebase.jp/pages/aboutus
コロナ禍を通して洋服や雑貨を扱うECサイトが急増し、AR機能などの発達により実際に自分が試着している様子を見ることもでき、オンラインショッピングは急速に拡大しています。そのため実店舗へ足を運ぶ人は減り、店舗へ行っても商品を見るだけでその後安いECサイトで買うといった行動(ショールーミング)が増えつつあります。
そのような問題がある中で売らない体験型実店舗が注目されているのは、消費者や場所を提供する企業、出店されるブランドにとってメリットがあるからです。
このように、CHOOSEBASE SHIBUYAはリアル空間でのショッピングを通して五感や意思決定などの経験価値を提供しています。
スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社
スターバックスは、1996年から日本に上陸しているコーヒーストアで、当初から消費者への経験価値の提供を意識したコンセプトを掲げています。コーヒーそのものや店舗そのものを価値とするのではなく、「サードプレイス(家でも職場でもない場所)」であるスターバックスで過ごす時間や空間そのものの価値を「スターバックス体験」として消費者に提供しています。
参照:https://www.starbucks.co.jp/company/
このようにスターバックスはリアル空間におけるトキ消費(経験価値)を提供する事例の1つであり、どのような時代においても競合他社と差別化することに成功しています。
その商材ならではの経験価値をつくりだそう
アフターコロナ時代では、さらにデジタル化が進みオンラインでの体験が充実することが考えられます。ですが、リアル空間はデジタルには替えられない価値があります。今後のマーケティング戦略を考案する際には、消費者のコト消費やトキ消費を目的として経験価値マーケティングを行ってみてはいかがでしょうか?
アフターコロナ消費者行動に関する記事はこちら↓
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