Blog/Opinion

変化するコンビニの品揃え、ダイソーや無印良品が参入する理由

変化するコンビニの品揃え、ダイソーや無印良品が参入する理由

投稿日:2022年8月29日/更新日:2023年3月7日

最近コンビニでダイソーや無印良品などの非食品日用雑貨を見かける機会が増えたと思いませんか?セブンイレブンにはロフトやダイソー、ローソンには無印良品などの製品が最近では並べられており、様々な非食品の製品をコンビニで購入することができるようになりました。本記事ではそのように変化していくコンビニの品揃え戦略の理由について考えると同時に、ワンストップショッピングという概念についても考えていきたいと思います。

関連記事:

製品の長さや深さとは -プロダクトミックス-

コンビニの戦略は正しいか?今更聞けないドミナント戦略とは

 

変化するコンビニの品揃え

前述のように、最近では店の一角に他社ブランドのコーナーを設けるコンビニが増えています。そのような取り組みは主に大手のコンビニで行われており、具体的にはセブンイレブンにはロフトやダイソー、ローソンには無印良品などの製品が並べられています。これまで主に食料品を販売することに注力していたコンビニ業界ですが、そのコーナーは衣料品や日用品を中心としたラインナップになっています。また同様に、ファミリーマートでは2019年ごろまで無印用品の製品を扱っていましたが現在は扱っておらず、代わりに「コンビニエンス・ウェア」という衣料品のプライベートブランドにも力を入れています。

セブンイレブンは既にダイソーの製品をほぼ全店に導入しており、ローソンは2023年までに無印良品の製品を全店に導入するとしています。ファミリーマートもコンビニエンス・ウェアの売り場スペースを2倍に増やすなどの取り組みを行っているようです。これらの取り組みの真意は何なのか考えていきたいと思います。

 

ワンストップショッピングへの需要拡大

第一の理由はワンストップショッピングへの需要が高まっている点にあると言えるでしょう。ワンストップショッピングとは一ヶ所で買い物を済ませる消費者の行動を指します。

コンビニは元々品揃えが豊富で色々なものを購入できる場所ですが、今回の日用品や衣料品などへの品揃え拡大は更なるワンストップショッピング需要への対応だと考えられます。特に近年では新型コロナウイルスの影響により消費者は外出をなるべく控え、買い物をする際にも一点で済ます傾向にあります。そのような消費者行動に応えるべくコンビニ各社は取り扱う製品の幅を広げていると言えます。

ただ、このような動向は小売店全体としての傾向とも言えるでしょう。特にドラッグストアなどでも見られ、最近では医薬品に限らず食料品など幅広く製品を取り扱っており、小売業界で存在感を示しています。そのため、今回のようなコンビニの非食品部門の強化はドラッグストアなどに対する対抗策であるとも受け取れます。特に、コンビニは利用する客数が多いため、非食品部門が強化されるとついで買いが促進され更なる売上向上に繋がるでしょう。

 

プライベートブランドのデメリット

コンビニ各社は非食品部門に力を入れており、ファミリーマートに関しては自社で製品開発を担い衣料品のプライベートブランドを展開しています。ただ、プライベートブランドにはデメリットも存在し、それらのデメリットを鑑みてセブンイレブンやローソンは自社で一部日用雑貨を展開しつつも他社ブランドと連携していると言えます。

まず、プライベートブランドではコストに関してデメリットが存在します。プライベートブランドを一から開発する場合、他社ブランドを仕入れるよりも多くのコストが発生します。また、開発・製造を行った後にも、在庫リスクについて考える必要があります。というのも、新発売のプライベートブランドよりも他社ブランドの方が確立されたブランドイメージや品質イメージを持つため、消費者は安心感をもって製品を手に取ると言えます。そのため、売り上げの予測が他社ブランドを扱った方が容易であり、売れ残りなどをはじめとした在庫リスクも回避できると言えます。

 

まとめ

今回紹介したように、近年では非食品部門を強化し店舗によっては他社の日用品ブランドを扱うコンビニが増えています。また、このような動向は今後も拡大していく予定のようです。理由としては一点で買い物を済ますという消費者行動の一般化や店舗としてコスト面のメリットなどが挙げられる他、ドラッグストアなどの小売店に打ち勝つことも目的と考えられます。非食品部門への拡大は色々な場所に店舗を持つコンビニの強みを活かした戦略であると言え、我々消費者としても今後コンビニはより便利な小売店に変化していくと言えます。今後とも目の離せない業界でしょう。

 

参考:

Diamond Online “ロフト、ダイソー、無印…コンビニに「異業種が乱入」する裏事情

scroll