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PPL(プロダクトプレイスメント)は映画やドラマだけじゃない?

PPL(プロダクトプレイスメント)は映画やドラマだけじゃない?

投稿日:2022年12月20日/更新日:2022年12月19日

PPL(プロダクトプレイスメント)は映画やドラマだけじゃない!PPLの具体例3つと欠点について

プロダクトプレイスメントとは、映画やドラマ、ゲーム、アニメなどの作品本編に製品やサービスを登場させる手法です。製品・サービスだけでなく、ブランドそのものや、地域や施設といった空間もプロダクトプレイスメントとして作品に溶け込ませて認知・宣伝することが可能です。

従来のTVCMやオンライン広告とは異なり、自然に作品に溶け込ませることで嫌悪感を感じさせにくいという特徴があります。視聴者やユーザーにスキップさせることなく製品やサービスをアピールすることができます。

プロダクトプレイスメントをする目的は、製品やサービスの認知度アップ、イメージアップなどです。

PPLの効果

その製品等に対する認知を一定数獲得できることはもちろん、人気俳優に使用させることによりファンにプラスのイメージを持たせ興味を引き付けることも可能です。株式会社gaieの調査によると、プロダクトプレイスメントに対して不快感を感じる人の割合は、14.5%と低いことがわかります。

gaiePPL

引用:株式会社gaie「プロダクトプレイスメントに関する認識、実態把握調査」

PPLの表現形式

プロダクトプレイスメントは、映画、ドラマ、ゲーム、小説、アニメなど様々な場所で行われます。その際にどのように配置されるのかをここでは紹介します。

筑波大学の論文によると、プロダクトの表現形式は「場面」「セリフ」「背景音」「プロットの一要素」「イメージ」の5種類に分けられます。中でも、登場人物の「セリフ」や流れる「背景音」にプロダクトを配置すると、視聴者にプロダクトの好感度を持たせることができるようです。

つまり、製品と作品の文脈・場面との関連性が高いほど効果的だといえます。

参考:「中国映画とアメリカ映画の比較からみる プロダクトプレイスメントの表現と効果」

PPLの具体例3つ

日本や海外におけるプロダクトプレイスメントの具体例3つをご紹介します。

日本アニメ映画「天気の子」

天気の子

引用:映画「天気の子」公式サイト

「天気の子」は、「君の名は」や2022年に公開された「すずめの戸締まり」で有名な新海誠監督のアニメ映画です。

新海誠監督の映画はプロダクトプレイスメントで有名で、中でも「天気の子」ではサントリー、ソフトバンク、日清食品などのプロダクトが多く登場し目立っていました。

そして最新作のすずめの戸締まりでは、映画に登場するプロダクトプロダククトプレイスメントではありませんが、日本47都道府県の企業と「タイアップ」するプロジェクトが行われました。各県の企業とコラボし場所そのものやブランド、商品を宣伝しています。

参考:#日本の戸締まりプロジェクト(新海誠監督 最新作 すずめの戸締まり)

 

Netflix韓国ドラマ「わかっていても」

わかっていてもPPL

引用:Netflix公式

この作品では、韓国のサプリや電子機器、コスメ、アクセサリー、食べ物など様々な商品やお店が登場しています。いずれも、主要な登場人物が製品を使用するシーンや食べるシーンなどが写されているため、プロダクトプレイスメントであることが露骨に分かります。

日本の映画やドラマでは、プロダクトを背景に登場させるというように作品に溶け込ませる手法が主流ですが、韓国発の映画やドラマでは誰にでもプロダクトを認知できるように登場させるため、より多くの視聴者に宣伝できると考えられます。

関連記事:韓ドラで注目されるプロダクトプレイスメントが効果的な理由

 

日本発RPG「ファイナルファンタジーXV」

ファイナルファンタジー

引用:SQUARE ENIX

ファイナルファンタジーは、シリーズもののロールプレイングゲームです。2015年に発売された「ファイナルファンタジーXV」のゲーム内でキャラクターがキャンプをするシーンがあり、その際に使用されたアウトドア用品が「Coleman(コールマン)」というブランドのものでした。プロダクトプレイスメントは映画やドラマだけでなくゲーム内でも可能であるという事例の1つです。

PPLの欠点

プロダクトプレイスメントは、従来の広告のようにスキップされない、嫌悪感を感じさせにくい、一部の視聴者に対してプロダクトのイメージアップをさせられるといったメリットがあります。

しかし、Google広告などのオンライン広告がターゲットの興味関心に合わせて表示できる一方、映画やドラマで登場させるプロダクトは必ずしも視聴者のターゲットに合うとは限りません。

PPLの課題を解決するデジタルプレイスメント

近年では、視聴者の属性に合わせて写すプロダクトを変えるという「デジタルプレイスメント」の開発が一部企業で取り組まれています。

”AIの活用によりカメラの動き・背景・露出時間などを自動解析することで最適なプレイスメント箇所が提案され”、後付けてプロダクトを映像内に入れ込むことが可能です。

引用:映画.com「フィルミネーションが「デジタル・プレイスメント広告企画」をスタート!」

 

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