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2022年、顧客中心を目指すマーケティング業界の3つのトレンド

2022年、顧客中心を目指すマーケティング業界の3つのトレンド

投稿日:2022年1月7日/更新日:2022年1月7日

2022

2021年は、広告業界にとって先の見えない不安の中、意外にも打たれ強かった年となりました。アメリカではパンデミック2年目の2021年はその前の年に比べて、国内の広告費の合計額が25%増加したと推測されるデータがあります。2022年はさらにその勢いが強まり、特にデジタル広告はその力を増すと予想されます。

そこで今回は、2022年の広告業界を次世代へと引っ張っていくと思われる、注目すべきトレンドを以下で紹介します。

次世代につながるCTV

パンデミックによって、多くの人が家の中で過ごす時間が増えたことで、NetflixやAmazon Prime、Youtubeなどを見れるテレビ— CTV (Connected TV) の需要が高まったことは、認識されているとおりです。個人情報のプライバシーの観点等により、クッキーやその他のトラッキングを拒否する消費者が増えている中で、CTVは広告業界にとってターゲット層に広く効果的にリーチするための新たなチャネルになると期待されています。

広告の大半が若者をターゲットとしているため、従来の地上波テレビからZ世代をはじめ若い世代が集まるCTVへの広告費のシフトが始まっています。2022年からは、CTV上で上手く効果的な広告運営を行うスキルを身に着けることが大きな競争力へとつながると考えられます。

☞ CTVに関する記事はこちら

 

できるだけ少ない顧客データを使う、データミニマライゼーションの台頭

EUのGDP等によって消費者のプライバシーの問題が広く認知されたことで、マーケターは積極的に自分たちが顧客データを倫理的にかつ責任をもって管理していることを示すことが必要になりました。同時に、顧客が自分たちのデータを提供することで得られるメリットを理解し納得してもらうように行動することも業界の責任を考えることが重要です。

そして、収集するデータの種類を制限したり、データの備蓄を控えたりするなどして、扱うデータそのものを少なくすることは、多くの消費者が望むことです。

☞ 顧客データのプライバシーに関する記事はこちら

 

注目されるコーホート分析

マーケティングに用いられる多様なデータ分析手法の中でもコーホート分析では、顧客一人一人をターゲットとするのではなく、顧客をグループ化した集団をターゲットにします。このように、顧客を不特定多数として匿名で扱うという点がコーホート分析が注目されている理由です。

一方で、マーケターがコーホート分析によって顧客のプライバシーを確立するには、いくつかの課題があります。例えば、顧客のグループ化をどのようにするかなどのコーホート分析のレシピを誰がつくり、それをマーケターがどのように自社のマーケティングの目的と適合させていくか、などのような課題が挙げられます。

コーホート分析は、データセットを構築するための定義や確立に多くの課題があり、絶対的に完璧なものではありません。しかし、関心の高まる顧客のプライバシーと安全という問題に対する効果的なアプローチとして中期的に人気が集まるものであると考えられます。

 

2022年もマーケティング業界において多くの変化が起こりそうです。変化が生まれるときこそ、イノベーションやコラボレーションによって、さらなるはずみを起こすチャンスと言われます。新しいニーズや技術、顧客にその機会が潜んでいるかもしれません。

Adweek “5 Consumer-Centric Trends Driving the Industry Forward in 2022” / Michael Zacharski

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