コロナ生活の中の高級品を目指すハーゲンダッツの新しいパッケージ戦略

コロナ生活の中の高級品を目指すハーゲンダッツの新しいパッケージ戦略 - Truestar Consulting Group

コロナ生活の中の高級品を目指すハーゲンダッツの新しいパッケージ戦略

新型コロナウイルスのパンデミックによってもたらされた様々な経済の変化のなかで、新しく贅沢品として認識されるようになった商品は数えるほどありません。Bain & Co. の調査によれば、ジュエリーや高級ブランド品などの昔から高級品とされてきた商品は、去年は22%のの収益低下で2015年時の値まで下落し、大きな打撃を受けました。

多くの人々が未だに自宅で過ごす生活を続ける一方で、新しい消費傾向が生まれています。それは、「手ごろな贅沢」消費の増加です。例えば、アメリカでは2021年の上半期においてフレグランスの売上が全体で45%もアップしています。また、男性用の高級シェイビング機器もパンデミック以降、売り上げが伸びているというデータもあります。このように、人々は生活の中で味わえる贅沢を求めるようになっています。

このような傾向をチャンスと捉え、新しいブランディング戦略を打ち出したのが、ハーゲンダッツです。

自分へのご褒美からコロナ生活をより心地よくするための高級品へ

ハーゲンダッツは、1960年にニューヨークのブロンクスで設立されたアイスクリームブランドで、日本では1984年から販売が開始されました。今回の新しいブランディング戦略は、既に消費者の間で「ご褒美」として認知されているハーゲンダッツアイスクリームを、生活の質を高める「高級品」として認識してもらうことを目的としています。この「生活の質を高める高級品」とは、ロレックスの時計などの伝統的な高級品とは異なるものです。

実際に、パンデミックによって人々の贅沢や高級という概念自体に変化が生まれているのかもしれません。今回の新しいブランディングに際して、ハーゲンダッツのマーケティングディレクターであるRacheal Jaivenは、取材に対して、「一般的に高級品の本質と言えば、その派手さや目立つ贅沢さにあります。しかし、今日の高級品という考えは、派手さや贅沢よりも心地よさにあるのではないかと考えます。」と答えています。

この贅沢よりも心地よさを求める消費動向は、コロナ渦で旅行や遊びに行けず、日常に縛られている人々がその日常の生活を少しでもより心地よいものにさせたいという願いが表されたものなのかもしれません。ハーゲンダッツアイスクリームはそうしたニーズによりマッチした、「コロナ渦の高級品」というポジションを目指しています。

初めて見直されたパッケージから消費者の認識を変える

しかし、どのようして「時々のご褒美」という商品のイメージを「生活の中の高級品」へとシフトできるのでしょうか?ハーゲンダッツはその1つの方法として取り組んだのが、パッケージデザインの見直しです。パッケージングの徹底的なデザインの改善は、1960年の設立以来、初めてのことです。ハーゲンダッツは「高級感」と「親しみ」を軸に、以下のような改善を行いました。

背景模様の変更

これまでのハーゲンダッツアイスクリームには、ブランドタペストリーと呼ばれる象徴的な金色のタペストリーの模様が描かれていましたが、新しいデザインでは、タペストリーよりもなめらかな曲線の模様にアイスの味をイメージさせる色がつけられましたものになりました。アイスの味の強調とアイスクリームのなめらかさを表現しています。

ナチュラル感を追求した果物のイメージ

中央に描かれるアイスの味を表すイメージ図は、以前のものより大きくなり、リアルなしずくや光によってよりナチュラルに描かれています。ナチュラルさの強調によって、本物から生まれる高級感を演出しています。

親しさを込めたフォント

これまで大文字で書かれていたフレーバーが、小文字で表記されるようになったことで、親しみやすく感じられるようになっています。

パッケージング/ブランディングに関する記事はこちら

どう影響する?パッケージの重要性

ブランディングは何のため?意味と役割

参考:Adweek “How Häagen-Dazs Turned a $6 Pint of Ice Cream Into a Luxury Item” / Robert Klara (https://www.adweek.com/performance-marketing/haagen-dazs-redesign-ice-cream-pint-pandemic-luxury/)

To TopPAGE TOP
✉ お問い合わせ