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Netflixが広告事業に参入?その真意は
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Netflixが広告事業に参入?その真意は
Netflixが広告事業に参入?その真意は
サブスク型ビジネスモデルの代表例としてよく名前が挙げられるNetflixですが、Netflix CEOのリード・ヘイスティングス氏は4月19日に行われた会見でユーザーからの月額課金だけでなく広告からも収入を得る方針であることを明らかにしました。これまで広告事業への参入の可能性は低いとしていたNetflixですが、なぜ今になってそのような発表を行ったのでしょうか。本記事では広告事業に関する詳細、その判断に至るまでの経緯、またこれからの動向についても考えていきたいと思います。
広告付きプラン
Netflix CEOのヘイスティングス氏は1~2年後に広告の導入を考えているとし、具体的には広告が組み込まれた新しいプランを作成すると会見で述べました。まだ詳細は明らかになっていませんが、低価格の有料サブスクプランを作成しそこに広告の掲載を考えているようです。
経緯
Netflixはこれまでどちらかというと広告掲載に反対意見を示していました。2019年の株主向け書簡には「広告を表示しないことは我々のブランドプロポジションだ」とも述べていました(Yahoo!ニュース)。また、直近の今年3月にはDisney+の広告事業参入を受け「我々の計画にはない」と述べていました。ではなぜ4月に入り突然方針の変更を切り出したのでしょうか。主に以下3つの点がプッシュファクターとして挙げられるかもしれません。
・登録者数の減少
・物価上昇及びコストの増加
・激化する市場競争
最近ではロシアによるウクライナ侵攻の影響も大きいでしょう。Netflixは3月上旬にロシアでのサービス提供を停止し、約70万人の登録者を失っており、それに伴い売上も減少しています。それに加えて、米市場を中心に飽和状態である点も理由として挙げられ、現在のビジネスモデルで収益を伸ばし続けることの難しさをNetflixは感じているのかもしれません。
特に、Netflixではアカウントの共有が可能なため、明確には登録者一人一人から月額課金を回収しているとは言えません。最近では登録者数の増加及び市場の飽和によりこの問題が顕著になっており、広告の掲載も視野に入れているようです。というのも、広告の場合アカウントの共有関係なく視聴者数が多ければ広告配信プラットフォームとして魅力的であるため、Netflixには適した収入モデルかもしれません。
今後の動き / まとめ
Netflixはこれまでサブスクリプション型のビジネスモデルを貫き通すことを公言していましたが、近年の市場の変化などから広告事業への参入に対しても前向きなようです。前々から一部のマーケターからはNetflixに広告を掲載したいといった声が上がっており、実現するとなると大きな効果が見込めるかもしれません。
実際に、広告掲載を開始したDisney+などは好調であり、Netflixはこれらの動向を見て判断に至ったとも言われています。その他にも、SVODの広告掲載について「広告が流れても普段よりも安いのならば構わない、またはそちらの方が良い」という声も様々な調査から近年出ており、会見でヘイスティングス氏が「顧客のニーズに寄り添いたいからだ」と述べたのは言い訳などではなく真意である可能性が大きいです。この「広告付きの低価格プラン」が実現すると、Netflix及びその利害関係者に対し多くの利益をもたらし、ウィンウィンな関係を築くことができるかもしれません。
参考:
Adage “Netflix is Finally Ready to Sell Ads”
TechCrunch “Netflix Says an Ad-Supported Tier Still isn’t in its Plans, Despite the Disney+ Announcement”
Yahoo!ニュース “Netflix、広告付き低価格サブスクを計画中”
Yahoo!ニュース “ネットフリックス会員10年ぶり減少、株価26%安 広告導入に言及“
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