ターゲット層、どう分ける?
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近年改めて注目を集めるABMは本当に効果的か?
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近年改めて注目を集めるABMは本当に効果的か?
近年改めて注目を集めるABMは本当に効果的か?
近年、デジタル技術の発達に伴いABM (Account Based Marketing: アカウント・ベースド・マーケティング)がマーケティング手法として注目されています。考え方としてはいたって単純なABMですが、なぜ改めて注目を集めているのでしょうか。本記事ではABMとは何か、そのメリットは何か、またなぜ注目を集めているのかについて考えていきたいと思います。
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ABMとは
ABM (Account Based Marketing: アカウント・ベースド・マーケティング)とは、その名の通りアカウント(アプローチをかける企業・団体)を中心に考えるマーケティング手法です。ABMでは不特定多数の顧客にアプローチをかけるのではなく、企業単位までターゲットを絞り、そこにリソースを集中させ組織全体でアプローチをかけます。パレートの法則にあるように、企業の売上は2割の顧客によって支えられているとも言われているため、幅広くアプローチをかけることは時には最適ではないと言えます。一社に対し莫大な費用がかかったとしても、大口顧客(多くの利益を生んでもらえる顧客)であった場合高いROIが見込めると言えるでしょう。
反対語としてデマンド・ジェネレーションというマーケティング手法が挙げられます。デマンド・ジェネレーションとはその名の通りデマンド(需要)を顧客の中で創出することを目的としたマーケティング手法です。ABMのように優良顧客のポテンシャルを持つ企業に最初から絞り込んでアプローチを行うのではなく、幅広い層に対しアプローチし顧客になってもらうよう育成していくのがデマンド・ジェネレーションです。
メリット
ABMを行うことで得られるメリットは複数あります。まず、前述のように高いROIが見込めるでしょう。多少コストがかさんでも大口顧客であれば大きなリターンが見込めるため、結果として出費を抑えられると言えます。また、ここでのコストは金銭的なコストに限りません。幅広い層に対しアプローチを行う場合、幅い広い層に刺さるマーケティング施策を考える必要がありますが、ABMでは絞られた対象に対してアプローチを行うため、その顧客にだけ刺さる施策を講じるだけで十分でしょう。そのため、無駄のないアプローチが可能になります。
また、組織全体でアプローチを行うため、部門間での連携が可能です。そのほかにも、絞られた顧客にアプローチを行うため、効果測定が容易な点もメリットとして挙げられるでしょう。
手法
ABMのプロセスは「ターゲット企業の設定」と「実行」に大きく分けることができるでしょう。また、それぞれを実施するにあたって検討を重ねる必要があります。
ターゲット企業の設定
ターゲット企業を設定する際には「大口顧客・優良顧客になり得るか」という点を中心にアプローチをかける企業を絞っていきます。大きな取引が見込めるか、リピーターになってくれるか、取引を行うことで市場への影響力はあるか、などを考慮しながら選定していきます。その際、実際に現時点で大きな利益を上げている顧客の属性を参考にするなど、データに基づいた分析が望ましいでしょう。
実行
実行に移す前には綿密に計画を練ることが欠かせません。「ターゲットに合わせたアプローチが可能」という点がABMのメリットであるため、ターゲットの嗜好を把握せずに雑にアプローチをかけるのであればABMの意味がありません。「ターゲットに合わせたアプローチ」を行うにはまずターゲットが抱える課題や問題意識を特定する必要があります。課題やニーズを特定し、「それらはうちで解決することができますよ」というメッセージを届ける必要があります。その製品・サービスが課題解決にぴったりなもので合った場合、ターゲット企業は取引に応じてくれるでしょう。
また、ターゲットに合わせたチャネルでアプローチする必要もあります。HP、SNSなどを通して行うのか、実際に会社に出向いて営業を行うのか、もしくはIPアドレスなどで公開範囲を限定した広告を配信するのか、など手法は様々です。これらをターゲット企業の嗜好に合わせて行うことが重要でしょう。そのほかにも、ターゲット企業の意思決定者が誰なのかまで探ることでより効果的にアプローチをかけることができるでしょう。
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まとめ
今回紹介したABMは大口顧客に限定し企業単位までターゲットを絞って行うため、不特定多数をターゲットにして行うマーケティングよりも高いROIが見込めるなど非常に効果的でしょう。ただ、効果を最大化するにあたりしっかりと計画を練る必要があります。特に、初めに間違ったターゲットを選定してしまった場合、コストだけがかさみ見合ったリターンが得られない場合があります。そのようなことを避けるためにもSFAやCRMなど、デジタルの活用が必要不可欠となり、技術が進歩する近年では改めてABMが注目されています。今一度ABMの導入について考えてみてはどうでしょうか。
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