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それ違法かも?サブスク運営と法律
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それ違法かも?サブスク運営と法律
それ違法かも?サブスク運営と法律
近年では動画配信サービスなどにおけるサブスクリプション(以下サブスク)型のビジネスはごく当たり前になってきました。動画配信サービスのみならず様々な業界にも適用できるビジネスモデルであるため、自社にもサブスクを取り入れられないかと奮闘する企業も増えていると思います。その一方で、サブスクを導入するにあたり注意すべき点がいくつかあり、本記事では法律面についていくつか取り上げたいと思います。
広告について
まず、サブスクに限った話ではないですが、広告を出す際には記載する文言に注意するべきでしょう。サービスをアピールしたいあまり、実際のサービスよりも大げさな内容を広告に記載するのは景品表示法に違反する場合もあり、マーケティング詐欺にも該当します。提供するサービスを実際以上に優れたものだと偽ったり、競合のサービスよりも大幅に優れているなど消費者に実際と異なったイメージを与えたりするとこれにあたります。
ステルスマーケティングに関する記事でも景品表示法について書かれているのでコチラも是非ご覧ください。
サービス解約について
最近一部でサブスクサービス解約について話題になっています。サブスク利用者であれば経験したことがあるかもしれませんが、サービスによっては解約に手間取るケースがあります。というのも、解約のボタンが中々見つからなかったり、解約の手段が明記されていなかったりとパターンは様々です。また、サブスクの特徴として、解約しなければ毎月指定口座などから一定額が引き落とされてしまうため、利用者にとってこれは重大な問題です。
そこで、日本ではこれを取り締まろうという動きが最近見られ、事業者に対しホームページ上に解約方法を分かりやすく明記するなどの努力義務を課す消費者契約法改正案を国会に提出予定のようです。また、このような動きはアメリカでも見られ、「ワンクリックで契約をして解約は電話で」といった手法を違法にする方向で進んでいるようです。このように、「契約は容易である一方で解約は難しい」といった状態を解消することで、サブスク自体もより消費者に受け入れられるようになっていくでしょう。
サービス内ポイント等について
また、こちらもサブスクに限りませんが、サービスによってはサービス内でポイントを消費者に購入してもらい、その購入したポイントで買い物をしてもらうというパターンもあります。その場合、前払式支払手段に分類される可能性があるため、順守するべき法的な義務を把握しておく必要があります。代表的なものとして情報の提供義務が挙げられます。簡略化すると、ポイント等を消費者に付与する場合、その数量及び残高、その使用期限を分かりやすい位置に表示する必要があり、また消費者の相談や苦情を受け付ける窓口や連絡先の所在も明記する必要があるというものです。また、利用上の注意事項等も消費者の目につく位置に明記しておく必要があります。他にも細かな規定があるため、気になる方は今一度調べてみた方が良いかもしれません。
まとめ
近年非常に多くの企業がサブスクをビジネスモデルに取り入れていますが、法的な規則も存在するため運営の際には注意が必要です。本記事では一部の項目を取り上げましたが、実際に運営を行う際にはより詳しく調べてみる方が良いでしょう。特に、解約や利用規約などについては消費者向けに明記するべき項目も多い他、今後法改正も行われるかもしれないため確認しておくべき項目と言えます。
また、色々と分かりやすく明記しておくことは法的リスクの回避だけでなく、より良い顧客体験にもつながることが予想されます。安心できるサービスを提供することで顧客ロイヤリティの向上も見込め、サブスク運営を予定している方はこれを機に法律についても考えてみてはどうでしょうか。
参考:
Gigazine “「クリック1つでサブスク、解約は電話で」という手法が違法に”
Yahoo!ニュース “サブスク「契約は容易なのに解約は困難」…解約方法の分かりやすい表示、努力義務に”
一般社団法人日本資金決済業協会 “前払式支払手段とは”
消費者庁 “景品表示法“
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