ブランドストーリーでブランドを語ってはいけない?
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SDGsで増えるマーケティング詐欺、グリーンウォッシングとは
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SDGsで増えるマーケティング詐欺、グリーンウォッシングとは
SDGsで増えるマーケティング詐欺、グリーンウォッシングとは
グリーンウォッシングという言葉を聞いたことがあるでしょうか。Green Washing とは、直訳すると「緑の洗脳」になります。消費者に対して、商品やサービス、またはブランド自体の環境への配慮する姿勢、サステイナビリティ性を偽造・または誇張して伝えアピールするというマーケティング詐欺のことです。ブランドのサステイナビリティ性を意識して、商品サービスの購入を決める消費者が増えている中で、ブランドが行うマーケティングがグリーンウォッシングだと指摘されるケースが増えています。
虚偽広告で提訴されたコカ・コーラ
アメリカでは今月、環境保護団体であるEarth Islandが、世界的飲料メーカーであるコカ・コーラに対して、環境汚染につながるプラスチックを世界で最も生み出しているにもかかわらず、ブランドがサステイナブルで環境に配慮しているという虚偽広告・宣伝を行っているとして、提訴しました。
コカ・コーラはこれまで、環境保護に対して様々なメッセージを発信してきました。自社のウェブサイトやCMなどの様々な広告キャンペーンの中で、「大切な地球」や「持続可能な解決策を導き、炭素排出量を減らすために持続可能なパッケージングの基盤構築に投資する」、「無駄のない世界」といったメッセージを発信しています。
しかし、これらのサステイナビリティを意識するメッセージとは裏腹に、Break Free From Plastic という活動団体による調査レポートによると、コカ・コーラは3年連続で世界で最もプラスチック汚染を生み出している企業であることが分かっています。その主な原因としては、コカ・コーラが排出するプラスチックのパッケージによります。2020年には、調査が行われた55の国の内51か国内で浜辺や海洋、川や公園において、13,834本のコカ・コーラのペットボトルなどの廃棄されたプラスチックが見つかっています。これは、55か国中37という2019年の調査結果と比べ、大きく増加していることが分かります。また、コカ・コーラに帰属する廃棄プラスチックの量は、続く2位、3位の企業の廃棄量を加算した量よりもさらに多いのです。
このようなペットボトルの廃棄による環境汚染について、メーカーはどれほどの責任があるのでしょうか。それに対する意見は様々です。企業側にとっては、ペットボトル放棄は消費者の責任であるという考えが前提とされています。しかし、環境保護団体はペットボトルによる環境汚染はそのプラスチックを製造する企業側に多大な責任があると主張しています。いずれにしても、SDGsが提唱され、消費者のサステイナビリティへの意識が高まる今日では、このようなプラスチック汚染の問題に関して企業側の責任がゼロであるとは言い切れないのが事実です。
サステイナビリティマーケティングは注意が必要
サステイナビリティを企業活動やマーケティングに取り込むブランドは増えています。しかし、それを誇張したり、ましてや虚偽であれば、必ず将来において多大なマイナス効果を生みます。また、自社のサステイナビリティ性について、実際にはどれほどの効果を地球にもたらしているのか、またブランドが生み出す環境への悪影響と対比した際は場合、など様々な側面から消費者に正直にメッセージを発信することが重要です。
また、消費者としてもサステイナビリティをうたうブランドが本当に地球に良いインパクトをもたらしているのかどうかをしっかりと見極めることが大切です。
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過去にブランド毀損が起きた3つのグローバル企業とその対処法とは
Earth Island Sues Coca-Cola Over Greenwashing Claims & False Advertisement
参考:Earth Island Journal “Coca-Cola sued for False Advertising Over Sustainability” /Zoe Loftus-Farren (https://www.earthisland.org/journal/index.php/articles/entry/coca-cola-sued-for-false-advertising-over-sustainability-claims/)
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