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パーソナライゼーションで見直すべき2つの顧客層

パーソナライゼーションで見直すべき2つの顧客層

投稿日:2020年9月14日/更新日:2021年6月22日

パーソナライゼーション

セグメンテーションは、効果的なブランディングや広告宣伝をするのに必要不可欠なフレームワークです。顧客を、性別や年齢、所得水準、地域などに細かく分けて分析し、その上で特定のセグメントをターゲットすることが、一般的なマーケティングの手法です。一方で、時代の変化によって、その手法の妥当性を疑問視する声も上がっています。

アメリカのFormation.aiというマーケティングプラットフォームを運営する企業が今年3月に行った調査によって、セグメンテーションによって、見落とされている顧客層が多数存在するということが分かりました。今回は、この調査で分かった見落とされている顧客層とセグメンテーションに変わる時代に合わせた新たな手法を紹介します。

時代はセグメンテーションからOne to Oneへ

顧客を大まかなニーズによってグループに分けるセグメンテーションでは、スケールメリットがある反面、顧客一人一人の細かいニーズや特徴が見落とされています。テクノロジーの発達、1人1人のニーズに合わせたパーソナライゼーションが効率よく、簡単に、また安く行うことが可能になっています。現代の人々は、ニーズが多様化している背景もあります。セグメンテーションを基にしたマーケティングから、このような1:1(One to One)マーケティングに移っていく中で、今まで見落とされていた顧客層の価値を見直す必要があります。

1:1マーケティングを行うためのポイントについてはこちらをご覧ください。(マス・パーソナライゼーションのための3つの要素

見落とされている2つの顧客層

①低所得者

所得の低い人口の消費は全体と比較して低くあるという自然な推測から、低所得者に消費を促すマーケティングはあまりされていないのが現状です。しかし、今回の調査によって、低所得者の支出の約40%は、ぜいたく品とされるものに使われているということが分かりました。また、低所得層のニーズやライフスタイルにマッチしたマーケティングを行うことで、彼らのロイヤルティが高まり、そのブランドでの購買量が上がるという結果がでています。

②高齢者

比較的若い顧客層は、目にする広告の約4分の1がパーソナライズされたものであるという報告があります。特に、SNSやWebサイトの広告、eメールでのPRなどがそれにあたります。

一方で、SNSやインターネットの利用が少ない高齢者層へのパーソナライゼーションは目にする広告の約14%にとどまっています。もし、高齢者の個人レベルのニーズにマッチしたマーケティングを行うことができれば、彼らの消費を効果的に高めることが期待できます。また、高齢者人口の割合が年々高まっている日本社会では、若い世代だけでなく、高齢者層へのパーソナライゼーションを進める必要があります。

参考:Adweek “Marketers Are Failing to Personalize to Lower Income Consumers” (https://www.adweek.com/programmatic/marketers-are-failing-to-personalize-to-lower-income-consumers/)

 

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