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日テレのARMプラットフォームが業界に与える影響とは? メリットとデメリットの分析

日テレのARMプラットフォームが業界に与える影響とは? メリットとデメリットの分析

投稿日:2024年3月6日/更新日:2024年3月6日

日テレのARMプラットフォームが業界に与える影響とは? メリットとデメリットの分析

インターネット広告のシェアが拡大する中、地上波広告の改革が実際に求められている。

日本テレビ(以下、日テレ)が2023年10月に発表したARMプラットフォーム(Ad Reach Max Platform)は、地上波広告のデジタル化とインターネット広告との統合を加速させる、業界にとって大きなインパクトが期待されている。2024年年末から運用開始を目指す開発が続いている。

本記事では、日テレのARMプラットフォームと、それが業界に与える影響について考察する。

このプラットフォームがもたらす変化とは?

ARMプラットフォームの導入により、地上波広告は以下の2つの点で大きく変化すると考えられる。

  1. 取引形態の変化

従来の地上波広告は、視聴率を主な取引指標として、オフラインで行われてきた。しかし、ARMプラットフォームの導入により、地上波広告もインターネット広告と同様に、リアルタイムで、インプレッション単位でのオークション型の取引が可能になる。

  1. 広告枠の統合

地上波広告とインターネット広告を組み合わせた「統合在庫」を販売する。これまでは地上波とインターネットで異なるルールや取引指標で広告枠を販売していたが、数理最適化モデルとインプレッションベースの取引によって統合が可能になる。

引用:日テレ プレスリリース

引用:日テレ プレスリリース

メリットとデメリットの分析

広告主にとってのメリット、デメリットはそれぞれのような事が挙げられる。

メリット:
  1. 広告効果の最大化

ARMプラットフォームでは、リアルタイムでインプレッション単位での取引が可能になるため、広告主はより合理的な予算配分とよりターゲティング精度の高い広告配信が可能になる。また、広告の効果をリアルタイムで測定できるため、広告効果を最大化するための最適な配信方法を検討しやすくなる。

  1. 広告運用の効率化

テレビ局とのやり取りを簡素化できるため、広告の申し込みや変更などの手続きがスムーズになる。また、地上波広告とインターネット広告を統合して管理できるため、広告主は広告運用の効率化が可能になる。

デメリット:
  1. 広告単価の上昇

ARMプラットフォームでは、オークション型の取引のため、競争が激しくなって広告単価の上昇が懸念される。

  1. 広告配信のコントロールの難しさ

ARMプラットフォームでは、広告の配信をリアルタイムで行うため、広告主は広告の配信をより細かくコントロールする必要がある。広告運用の効率化の一方で、広告主側の負担が増える可能性がある。

テレビ局にとってのメリット、デメリットはそれぞれのような事が挙げられる。

メリット:
  1. 収益拡大

ARMプラットフォームでは、地上波広告とインターネット広告を統合して販売できるため、テレビ局は広告枠の販売機会を拡大できる。また、広告のターゲティング精度が向上するため、広告単価の上昇も予測できる。

  1. 広告枠の効率化

ARMプラットフォームでは、地上波広告とインターネット広告のデータを統合して分析できるため、テレビ局は広告枠の効率的な運用が可能になる。また、テレビ広告のデータも利用できるようになり、データ分析はさらに大きな効率的な改善につながる。

デメリット:
  1. 従来の商慣習の変化

ARMプラットフォームの導入により、テレビ局の従来の商慣習が変化するため、テレビ局にはこれを推進し、説明する義務がある。

  1. 技術的およびその他の課題

コアな技術課題として、膨大なデータを分析するための技術と精度の高いターゲティング技術が必要になる。

そして、広告素材の審査もこのシステムに委ねられるかどうかが課題だ。 システムで検出できないリスクのある内容の広告も多く、この場合はやはり人手が不可欠だ。

また、特定の時間帯に特定のコンテンツを放映するなど、カスタマイズニーズを持つ広告主に対して、テレビ局は個別に扱うべきかどうかについても、バランスを取る必要があるだろう。

まとめ

新しい取引プラットフォームは、広告取引の効率を高め、従来のテレビ広告の価値を高めると期待されているが、実際にどのような広告が制作されるのか、リーチするマスの規模や特性をどのように予測するのかは、広告主が考えなければならない課題である。 今後、より多くの視聴者情報やターゲティング方法も提供できるようになれば、プラットフォームの価値はさらに高まるだろう。

ARMプラットフォームはまだ公開されていないが、従来のテレビ広告取引形態をどれほど変えるのか、実際に業界にどれほどの影響を与えるのか、他のテレビ局は追随するのか。今後の展開が注目される。

参考:

  1. https://www.advertimes.com/20231127/article441038/
  2. https://www.ntv.co.jp/info/pressrelease/20231127.html

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