新しい決済の形?今後日本でも拡大が予想されるBNPLとは
Blog/Opinion
いまこそマーケティングとサプライチェーンマネジメントが連携するべき理由
- TOP
- BLOG/OPINION
- ビジネス
- マーケティング
- 顧客・消費者
いまこそマーケティングとサプライチェーンマネジメントが連携するべき理由
いまこそマーケティングとサプライチェーンマネジメントが連携するべき理由
マーケティングとサプライチェーンマネジメント(SCM)という2つの異なる部門のコラボレーションは、あまり耳にしないものかもしれません。確かに、マーケティングは一般的に売上増加やそのためのプロモーション、ブランディングなどクリエイティブさが求められる一方で、サプライチェーンマネジメントはどちらかというと現実的で規則正しいオペレーションというイメージがあります。
また、様々な要因でビジネスが危機的状況に陥った場合、サプライチェーンがカギになります。現在のようなパンデミックにおいても、多くの業界・企業がサプライチェーンに大きなダメージを負いました。
コロナウイルスの感染拡大が続いているこの18カ月、サプライチェーンの強化の重要性と共に、サプライチェーンとマーケティングが緻密に連携をとることの必要性を感じた企業は少なくありません。なぜなら、マーケティングとサプライチェーンマネジメントが協力することで、付加価値の創造や効果的な費用の削減、利益増加などビジネス全体にとって望ましい結果につながるためです。
マーケティングとサプライチェーンの連携が必要な最大の理由
しかし、実際にマーケティングとサプライチェーンが日常的に連携強化を行うべき最大の理由は、リスクコントロールにあります。近年、コロナや自然災害などによって引き起こされるサプライチェーンの乱れが引き起こすのは、店舗での品切れや顧客への対応、売上低下だけではありません。それ以上に、会社の評判、企業価値などブランドに対して長期的な負のインパクトをもたらします。このような結果は、会社のマーケティング担当は是が非でも回避したい最悪の事態なのです。
イギリスの週刊誌、The Economist が2020年に400の企業の経営者に対して行ったアンケートでは、過去3年間で経験したサプライチェーンの乱れによる影響で最も多かったのが「会社の評判へのダメージ」でした。また、顧客からクレームの増加が全体の3分の1を占め、約23%が定期の顧客の損失と回答しています。どれもマーケティングが積み重ねてきたものを一瞬で崩壊させる結果であると言えます。
サプライチェーンの危機はさらに高まる
さらに、多くの専門家がサプライチェーンの乱れは2022年に入っても続くとみており、物価の上昇と供給不足の問題はこれから悪化し続けると考えています。こうした今がサプライチェーン改革を行うと同時に、マーケティングとの連携を促進し、顧客保持とブランドの評判をどう守っていくかを協力して考える絶好のタイミングであるといえます。2022年には、以下のような要因から様々な企業がサプライチェーンに何らかの乱れが生じると言われています。
- 需要の増加
パンデミック当初から、特定の商品への需要が急激に高まり、サプライチェーンがビジネスにとって最優先の課題になりました。このような品不足や物価の上昇は今年に入っても見られる傾向であるといわれています。
- 長期的な競争力を低下させる短期的収益の喪失
サプライチェーンの乱れは売上に大きく影響する一方で、大きな問題は注文だれた商品を届けられない、商品到着の遅れなどによる長期的なブランド価値・評判へのダメージです。評判の低下は、顧客や取引先がほかの競合相手に流れてしまうことにもなります。
- 物流の課題
トラックやドライバーや配達員の不足は2022年において、さらに深刻になると思われる課題です。これは、サプライチェーンマネジメントが対処する問題と認識されるのが一般的ですが、今日ではマーケティングを含めたビジネス全体に関わる問題になっています。物流の課題によって引き起こされるブランドダメージに対処する連携体制を準備をしておくことが必要です。
- 気候変動による影響
近年のサプライチェーンマネジメントへの注目は、パンデミックだけによるものではありません。パンデミック以上に地球温暖化による気候変動や自然災害の増加がサプライチェーンの大きな脅威となっています。自然火災や干ばつ、洪水などはすでにチョコレートや米、木材などの供給に大きな影響を与えています。どの企業、業界も気候変動によってダメージを受ける可能性があります。
マーケティングとサプライチェーンマネジメントの連携の強化は、顧客のニーズを満たすためだけでなく、サプライチェーンの乱れの中でも顧客と周りのビジネスを引き留めるためのブランドロイヤルティを確立し、ブランドの回復力を蓄えておくために不可欠になります。
参考:Forbes “Want To Get Ahead In Marketing? Understand Supply Chains” / Al Grardi (https://www.forbes.com/sites/forbescommunicationscouncil/2022/01/10/want-to-get-ahead-in-marketing-understand-supply-chains/?sh=2d27fb816abe)
☞ パンデミックとマーケティングに関する記事はこちら
関連記事
scroll