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Facebookの社名変更、リブランディングとして効果はあるのか
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Facebookの社名変更、リブランディングとして効果はあるのか
Facebookの社名変更、リブランディングとして効果はあるのか
2021年10月28日、FacebookやInstagram、Whatsupなどの世界的SNSを運営する米Facebook(フェイスブック)は、社名をMeta(メタ)に変更すると発表しました。近年では、自社のサービスのユーザーへの心理的な被害や、個人情報乱用の疑い、政治的な問題など、様々な側面で厳しい批判を受けているフェイスブック社は、なぜ今になって社名の変更を決めたのでしょうか。この記事では、フェイスブック社の社名変更の要因と社名変更というリブランディングの性質と合わせて考えます。
社名変更でソーシャルメディアと悪評からの脱却を目指す
フェイスブックが社名変更に踏み切った要因は大きく2つあると考えられます。
1つは、人々がフェイスブック社に対して持っている「SNS運営会社」というイメージから抜け出すためです。代表であるマーク・ザッカーバーグ氏も先月の会見でこう語っています。
「今日、我々はソーシャルメディアの会社として認識されているが、本質的には人々をつなげるためのテクノロジーを生み出す会社である。いまこそ、この本質的な会社の意義を反映する新しいブランド名を採用する時であると考えている。」
その会見でザッカーバーグ氏は、これからの人と人とをつなげるテクノロジーとしてメタバース(Metaverse) についてフォーカスしていく意欲を表明し、社名をフェイスブックからメタに変更することを発表しました。
フェイスブックというブランド名は、世界的に最も印象的なブランドであると言えます。2019年以降、フェイスブック社は自社が獲得した、インスタグラムやメッセンジャー、WhatsAppなどの様々なソーシャルメディアサービスもフェイスブックの名前の下で運営するようになりました。そのため、人々の中で「フェイスブック」というブランドがソーシャルメディアとより深く関連付けられるようなったのです。ザッカーバーグ氏はそうした人々の認識を変え、もっと革新的な会社であることをアピールすることが社名変更の大きな目的であるとしています。
一方で、社名を変更することで、自社の信用問題を改善させようという狙いも見えます。フェイスブックとしてのブランド対する信用は、史上最悪の状態であるといえます。個人情報の取り扱い、市場独占の疑い、元社員によるデータの隠蔽の告発など、様々なスキャンダルが続きました。また、昨年の夏にはトランプ元大統領の投稿を検閲しないというフェイスブックの決定に反対した人権活動家やセレブたちによるフェイスブック広告のボイコット運動が行われました。
フェイスブックというブランド名は、人々にこれらの立て続けのスキャンダルをイメージさせるものとなってしまい、それを払しょくすることも社名変更を決断した要因であるといえます。
度々みられる大企業の社名変更
大企業が社名を変えることは度々みられますが、そこには大体決まった理由があります。例えば、フェイスブックと共にGAFAに入っている、Appleは、元は Apple Computers という社名でした。しかし、i Phoneをリリースした際に、社名をAppleに変更しました。これは。ビジネスの変革に伴った社名変更のケースです。
また、企業のリストラクチャリングに際して、名前を変えるという場合もあります。Google が社名を Alphabet に変えた際にCEOとなった Larry Page は、検索エンジンを超えたテクノロジー会社であることを強調しました。
その他にも、企業はスキャンダルなどで傷ついたブランド名から距離を置くために社名を変えることがあります。例えば、アメリカの大手たばこメーカーであった、Philip Morris は、たばこがもたらす人体への被害などへの懸念が会社そのものへの評判に影響していることから、2001年に社名を Altria に変更しています。
リブランディングとしての社名変更に効果はあるのか
フェイスブックの社名変更は、上記の様々な目的をすべて含んだものと言えます。しかし、その中でも難しいと思われるのは、社名変更によるリブランディングです。フェイスブック社が生んだ様々なスキャンダルからの批判や悪評は、社名変更だけではぬぐえるものではありません。そもそもブランドとは、ただの名前だけではありません。その会社のこれまでの意思決定や行動の集合体が言葉や名前、ビジュアルなどの様々な要素によって示されるものです。そのため、まだフェイスブックへの批判が根強いいま、社名変更に乗り切ったのは、リスクが高いと言えます。
WIRED “Facebook Is Going Meta” / Arielle Pardes (https://www.wired.com/story/facebook-name-change-meta/)
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