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デジタル広告で試すべき3つのコラボレーション

デジタル広告で試すべき3つのコラボレーション

投稿日:2021年3月16日/更新日:2021年6月22日

コラボレーション

1980年代は、印象強い宣伝文句や頭に残るCMソングなどが溢れ、まさに「広告の黄金時代」でした。そのようなCMづくりをする広告エージェントという仕事に憧れを抱いていた人も少ないでしょう。ところが、2008年にリーマンショックが起き、世界的な不況の中で広告業界全体の売上は10%以上減少しました。この時の不況経済は、費用の高いテレビCMなどのマスメディア広告から安価でターゲティングが柔軟に行えるデジタル広告へのシフトチェンジのきっかけになりました。

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デジタル広告のの魅力は、「適切な消費者に、適切な時に、適切な場面で広告宣伝できる」ことだといえます。加えて、デジタル広告では常に消費者を購買に導くためには何が必要かを考え、それをクリエイティブに利用して広告を作成することが必要です。マーケターは顧客獲得とブランディング、販促キャンペーンなどと合わせて購買意識を高めるためのパイプラインをつくります。

デジタル広告の乱れ

しかしこのようなマーケ―ターの消費者の購買行動へのアピールのやり過ぎによって、デジタル広告の「乱れ」が起きていることが以下のようなデータから分かっています。

  • 単調でクリエイティブに欠けるディスプレイ広告は、ユーザーを単にいら立たせている場合が多く、26%のユーザーが広告ブロッカーを利用している
  • 顧客の獲得は、以前に比べ格段に難しくなっている。マーケターの60%が、顧客獲得にかかる費用が増加傾向にあると答えている。
  • ターゲティング広告がターゲットユーザーに対する関連性が減少傾向にある。ユーザーは、インターネット上での広告疲れや広告に対する不信感を抱く傾向が強まっている。代わりに、消費者は信頼のおけるブランドや口コミ、紹介、リサーチなどに頼っている。

このようなデジタル広告の乱れという傾向に対して、マーケターはどのようなアプローチの転換を行うべきなのでしょうか。その答えは、信憑性・支持・信頼の上で成り立つ「コラボレーション」です。

なぜ広告においてコラボレーションが必要か

多くの企業が直接的な収益に固執する傾向があります。直接的な収益とは、消費者が企業の商品やサービスを買うことで得られる利益です。一方で最近では、目先の収益以外の面に目を向けてまだ活用されていない企業の財産を利用しようと考える企業が増えてきています。その財産とは、企業が持つ顧客そのもの、また社会的信頼やブランド・エクイティです。それらの財産を上手くレバレージするために、「コラボレーション」が重要になります。

顧客の信頼やブランド・エクイティを活用したコラボレーション—コラボ広告—には主に3つの種類があります。

B2Bにおけるコラボレーション

企業は、たとえ直接自社の商品やサービスでは解決できなくても、消費者の日々抱える問題を解決に導くための情報を他の企業に提供できる場合があります。

例えば、アメリカで新鮮な肉や魚を消費者に直接販売するビジネスを行う Rastelli’s は、食材のサブスクリプションビジネスを行う Sun Basket というビジネスとコラボし、Sun Basket の顧客の中でサステイナブルな肉魚などの食材を補助的に購入したい顧客に対して、 Rastelli’s についての広告・宣伝をしています。「新鮮でサステイナブルな食材を好む消費者」という同じ顧客セグメントを持つビジネス同士がお互いのサービスを補う形で広告や宣伝しているのです。 Sun Basket のユーザーは、信頼するサービスからの紹介であることで Rastelli’s の広告効果を高めています。

ディスプレイによるコラボレーション

先に述べたようにデジタル広告では、適切な消費者に、適切な時に、適切な場面で広告宣伝することが大切です。デジタル広告の代表格である、ディスプレイ広告が効果を得るためには適切な場面で表示することが特に求められます。コラボレーションは、より適した場面でディスプレイ広告を行うことを可能にします。

コンサートやイベントなどのチケットを購入するグローバルなプラットフォーム、Ticket Master は、スマートフォンなどのモバイルからの質の高いトラフィックが増えていることが分かりました。そこで、その機会に世界的音楽サブスクリプションサービス Spotify とパートナーシップを組み、 Spotify 上でユーザーが聴いているアーティストのライブコンサートの広告宣伝を開始しました。

このコラボ広告の結果、Ticket Master は昨年と比較して32%の収益増加を達成しました。また、従来のWeb上でのディスプレイ広告より20%高いコンバージョン率が得られました。

インフルエンサーとのコラボレーション

インフルエンサーとコラボしたマーヶティングに対しては、ROIを正確に算出する難しさから懸念を抱いてなかなか簡単に始められないという企業も多いでしょう。しかし近年では、正しいテクノロジーを活用すればインフルエンサーとのコラボ施策のライフサイクル(インフルエンサーの選択、リクルート、報酬など)の全てを自動化することも可能になってきています。

参考:The Drum “Advertising is broken. Here’s what you need to do.” / Julia Smith (https://www.thedrum.com/profile/the-digital-voice/news/advertising-is-broken-heres-what-you-need-to-do)

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