シャネルのアドベントカレンダーが物議を呼んだ理由

シャネルのアドベントカレンダーが物議を呼んだ理由 - Truestar Consulting Group

シャネルのアドベントカレンダーが物議を呼んだ理由

今年のクリスマスシーズンは日本でも、様々な化粧品ブランドがアドベントカレンダーを販売しました。。アドベントカレンダーとは、クリスマスの日までをカウントダウンするカレンダーのことで、ブランドが発売しているのは、その日付の1つ1つに商品が入っているセットのことを指します。カレンダーのどの日に何の商品が入っているか分からないため、クリスマス版の福袋と言えるかもしれません。

アドベントカレンダーは、ブランドにとってもクリスマスという特別なシーズンにかけて顧客に驚きと楽しみを毎日届ける絶好の機会です。そのため、アドベントカレンダーを販売する高級ブランドも増えています。

そのうちの1つであるCHANELは、そのアイコニックな香水であるCHANEL No.5の100周年を記念して、今年に初めてアドベントカレンダーの販売を行いました。値段は、アメリカで$825(日本では約9万円)で、シャネルのアクセサリーやコスメが内包されています。

しかし、販売直後にTikTok上でこのアドベントカレンダーに対していくつもの批判的なビデオが投稿されたことをきっかけに、ネット上でCHANELに批判の声が寄せられることになりました。

12月3日、アメリカのカリフォルニア在住のTikTokユーザーである、Elise Harmonさんが購入したシャネルのアドベントカレンダーを開封してレビューするコンテンツのビデオ(通称unboxing video)を投稿しました。ビデオの中では、CHANEL No.5の香水の容器をかたどったパッケージに対しては高評価の一方で、カレンダーに内包されている個々の商品については期待外れであったと語っています。香水やマニキュア、リップスティックなど期待通りの商品も入っていましたが、その量がサンプル品サイズ程度であったこと、さらにチャネルのシールやシャネルのCCマークの付いた紐状のブレスレット、商品を購入した際についてくる布袋など期待外れの品が多かったと言います。

この動画は投稿からわずか3日で100万回以上再生されており、その投稿に対して同情やブランドにたいして不信感をあらわにするコメントが多く寄せられました。また、中国でもあるブロガーが同ブランドのアドベントカレンダーについて、「値段ほどの価値がない」とコメントしたこともあり、ネット上で大きな物議を醸しました。

なぜシャネルだけが批判を呼んだのか

高級なアドベントカレンダーを提供するブランドはシャネルだけではありません。Dior や Armani 、 Saint Laurent も同じようなコスメなどが入ったアドベントカレンダーを販売しています。それらも約4~5万するもので、香水や化粧品のサンプルサイズのものがついています。

ではなぜシャネルの商品のみが批判の対象となっているのでしょうか。

その理由は、顧客の期待が高まり過ぎたから、と言えるでしょう。

もっとも、シャネルのようなハイエンドブランドの商品を購入する客が、対価のほとんどはそのブランドのエクイティ(ブランドネーム)に支払っていることは承知のはずです。ただの布袋であっても、「CHANEL」という名前がついているのといないのでは価値が大きく違うということです。

また、シャネルの公式サイトではアドベントカレンダーに含まれる商品の内容についてしっかりと記載されています。そのため、購入する人は中に何が入っているか多少は理解していたのでしょう。

しかし誤算だったのは、今回がブランドの歴史上初めてのアドベ ントカレンダーであったことと他のハイエンドブランドのアドベントカレンダーと比較しても値段が高くついていたことで、顧客の商品への期待が異常に高まっていたことにあると考えられます。そのため、実際の商品が高まっていた期待を大きく外れた際に購入者は大きな裏切りを感じたと想像できます。

ハイエンドファッションブランドなどの消費者の感性によって利益をあげている企業は、顧客が何をどれくらい期待しているのかをしっかりと把握し、それを理解した上で意思決定をしていくことが重要になります。