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キャンセルカルチャー、企業は対応するべきか
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キャンセルカルチャー、企業は対応するべきか
キャンセルカルチャー、企業は対応するべきか
キャンセルカルチャーという言葉を聞いたことはあるでしょうか。キャンセルカルチャーとは、道徳に反する行為をした企業やブランドに対して責任を追及するためにボイコットのような社会的キャンペーンを行うことを意味します。キャンセルカルチャーによるブランドへの悪影響は誇張されている部分がある一方で、多くの企業が顧客にネガティブな印象を持たれる状況を避けたいと考えているのも事実です。今回は、万が一ブランドがキャンセルカルチャーの標的となった場合、どう対応するべきかを考えます。
企業に対するキャンセルカルチャーとは
国内での身近なキャンセルカルチャーの例として、去年の東京オリンピックの会長や開会式関係者らの辞任や解任が相次いで起こった出来事があります。彼らの女性蔑視発言や過去のいじめなどへの抗議する声が高まった結果でした。このような事態は、著名人や政治家などの個人だけではなく、ブランドに対しても同様に起こりえるリスクがあります。
企業にそのようなキャンセルカルチャーが発生してしまった場合に、最も効果的な対処法は、「非を認め、謝罪すること」です。アメリカの調査では、41%の消費者はネガティブキャンペーンが起こっても、きちんとした謝罪と反省があれば、そのブランドの製品やサービスの利用を続けることが分かっています。
アメリカでは、昨年のはじめにアメリカの食品メーカーであるゴヤ・フーズが、アメリカ全土での大規模なボイコット運動に直面しました。発端は、CEOであるロバート・ウナヌエ氏が2020年の大統領選挙においてトランプ大統領を支持すると公に発表したことでした。事態を受けてウナヌエ氏は、役員会により発言が検閲され、事前の許可なしに記者のインタビューに応じることを禁止されることになりました。
しかし、問題はウナヌエ氏の政治的発言は、消費者に必ずしも問題視されるものではありませんでした。
キャンセルカルチャーの潜在的なインパクトを予知する
アメリカの調査では、40%の消費者が企業のCEOが不適切な発言をした場合にボイコットをすると答えたのた半面、30%はその後の対応によるとした中立な立場をとるとしました。
さらに、そのブランドの提供する製品やサービスが消費者の生活に深く根付いているものである場合、31%の人々はキャンセルカルチャーがあってもボイコットなどはしないとしています。
上記のデータを見ると、顧客は愛用するブランドに対してキャンセルカルチャーが起こっても、必ずしも謝罪を求めるわけではないことが分かります。また、キャンセルカルチャーはSNS上で誹謗中傷や個人のプライバシー侵害などの悪質な行為につながるケースもあります。
キャンセルカルチャーが必ずしも企業に影響するとは限らないからといって、事態を甘く見ることは避けるべきです。重要なのは、そのネガティブキャンペーンの潜在的なインパクトを予知することです。例えば、キャンセルカルチャーが生まれた原因が消費者にとってセンシティブなものであれば、対処の必要性が高まります。
様々なキャンセルカルチャーの原因
現在もキャンセルカルチャーにさらされている企業やブランドは多くあり、そのリスクはその企業においても存在します。フランスの航空会社、エア・フランスは、動物実験用のサルを航空機で輸送したことで批判を浴びています。また、世界的企業Amazonは、自社の税金対策について、重機大手のキャタピラーはパレスチナ問題で揺れるイスラエルにブルドーザーを販売したことで、社会の中でそのビジネス倫理に疑問の声が上がっています。
キャンセルカルチャーの要因はこのように大小さまざまですが、労働者に対する非道徳的な扱いなどのビジネスにおける習慣的な倫理に反する行為は、世間の多くの人から問題視されやすいとされやすいとされています。
参考:Marketing Dive “Cancel Culture: Trouble for brands or just a noise?” / Nina Lentini
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