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FendiとVersace、全く異なるブランドがコラボした背景
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FendiとVersace、全く異なるブランドがコラボした背景
FendiとVersace、全く異なるブランドがコラボした背景
昨年、4月と6月にハイエンドファッションブランドであるGucciとBalenciagaが手を組んで「ハッキングプロジェクト」と称してコラボ商品を発表しました。その後に続いて、9月に同じハイエンドブランドである、FendiとVersaceが互いのチーフクリエイティブディレクターたちを「スワップ(交換)」し、Fendiから「Versaceの視点」を用いてデザインされたウィメンズウェアを、Versaceからは「Fendiの演出」を当てはめたウェアを発表しました。
お互いのクリエイターを交換して作られた作品において、最も特徴的なのは2つの異なるブランドのロゴやとトレードマークとなっているデザインが1つのアイテムに共存していることです。FendiとVersaceを合わせた「Fedace」のネームプレートがついたベルトやVersaceのバロック模様とFendiの象徴であるFFのロゴ柄の重なりなど、様々なデザインのコラボレーションが見られました。
このように今までになかったブランドのタイアップは、どのような構造でどんなメリットを狙ったものなのでしょうか。また、異なるブランドが共同でブランディングを行う、コーブランディングは他のブランドや企業にも有効なのでしょうか。
タイアップの経緯とトレードマーク問題
前述したような異なるブランドが、お互いのトレードマークを混合してコレクションをつくる場合、商標や著作権をどちらに帰属させるかという問題が生じます。GucciとBalenciagaのタイアップのケースでは、Gucciの有名なGGのモノグラムをBalenciagaのBに変えてBBというモノグラムのデザインを使用したりしていましたが、2つのブランドは同じKering(ケリング)というフランスのラグジュアリーブランドグループの傘下にあるため、それほど問題ではありませんでした。一方で、FendiとVersaceのケースでは、2つのブランドはオーナーグループが異なるために、商標や著作権の問題は少々複雑になります。Versace氏とFendiのクリエイティブディレクターであるJones氏は、「今回のコラボレーションはお互いのブランドに対するリスペクトや友情の気持ちから生まれたもので、商業的な目的はなかった」と述べていますが、それぞれのトレードマークとなっているロゴや柄、模様などのデザインはハイエンドのブランドにとっては最も価値の高いアセットであるため、コレボレーション企画に先立って、双方の法務部が固い契約を結んだことは間違いないと考えられます。
☞ハイエンドブランドのブランディングに関する記事はこちら
ブランド同士がコラボレーションするメリット
今回のようなブランドの目新しいコラボレーションがもたらすメリットとして、最も分かりやすいのが、メディアからの注目と消費者の関心を得られることです。このようなハイエンドブランドのコラボレーションの事例から、企業やブランドは自社の持つアセットの応用性や幅広さを見つめなおすことで、何か別の形で有効活用できるかもしれません。他の企業やブランドとのコラボレーションを通して、今持っている商品やその他のアセットをまた新しい商品やサービス、新しい市場や顧客層など幅広く活用するチャンスが生まれるかもしれません。また、ブランドがなかなか終息しないパンデミックで売上が低迷する中で再起を図る良いきっかけになることも期待されます。
The Fashion Law “As Fashion Keeps Co-Branding, a Look at the New Assets at Play” /Julie Zerbo
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