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ダイソーが3業態複合店を次々オープン、進化を続ける日用雑貨店
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ダイソーが3業態複合店を次々オープン、進化を続ける日用雑貨店
ダイソーが3業態複合店を次々オープン、進化を続ける日用雑貨店
100円ショップで有名なDAISOを手掛ける大創産業ですが、最近では大型の店舗を次々にオープンしています。直近では2023年2月、東武池袋にDAISO、Standard Products、THREEPPYの3ブランドを複合した大型店舗をオープンしました。同様の3ブランド複合店を2022年末から銀座、埼玉の草加にオープンしており、今後もこの形態の店舗が増えてくることが予想されています。本記事では、変化を続けていくダイソーの事例を取り上げ、3ブランド複合店舗の目的について考えていきたいと思います。
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3ブランド複合店
現時点(2023年3月)で大創産業は銀座、草加、池袋に3ブランド複合店を出店しており、それぞれ商業施設の中にワンフロアを貸し切るような形で店舗を構えています。100円ショップとして有名なDAISO、300円の日用品を中心に揃えたStandard Products、同じく300円の日用品を中心に揃えたTHREEPPYの3ブランドが1つの店舗に複合されており、スペースとしてはそれぞれ区切られています。3ブランド複合店舗ということもあり、日用品、雑貨、食料品など幅広い製品を購入することができます。
大創産業はこれらの3ブランドの他にもCouCouやPlusHeartといった300円ショップを持ちますが、これらの店舗ではTHREEPPYの商品を扱っていたり、SNSアカウントがTHREEPPYと統一されていたりするなどしており、複合店は実質大創産業の全ブランドの複合店と言っても差支えがありません。
Standard Products、THREEPPYとは
DAISOは知っていても残りの2ブランドは最近登場したということもあり、馴染みがない人もいるかもしれません。それぞれを手短に説明したいと思います。
まず、Standard Productsは2021年に渋谷一号店をオープンした基本300円の日用品店で、「新しいスタンダード」を提供することを目的として掲げています。DAISOよりも比較的品質の高い日用品(食器やリビング雑貨など)を提供しており、デザインもシンプルで洗練されたものになっています。その他にも、使いやすさだけでなく、環境に配慮した素材で製品が作られているなどの特徴を強調しているようです。その一方で、価格は基本300円で高くても1000円になっており、高いコストパフォーマンスを誇っています。ターゲット層は30代・40代としていますが、シンプルながら高いデザイン性を持つことから若者を含む幅広い層から人気を集めています。
THREEPPYは2018年にオープンした「300円ではじまるハッピーな生活」をテーマにしている基本300円の日用品店です。Standard Products同様に幅広い商品ラインナップを持つものの、「あいらしい。そして私らしい。」をコンセプトに掲げており、そのターゲットは異なります。淡いピンクやグレーの色使いの製品(アクセサリー、食器、ファッション雑貨など)を取り扱い、20代から40代の女性をターゲットとしています。Standard Productsが特別性別にこだわっていないところ、THREEPPYは比較的若い女性に重きを置いていることが分かります。
3ブランド複合店の強み
今後も増えてくることが予想されるDAISOの3ブランド複合型店舗ですが、その強みを考えてみたいと思います。
幅広い層へアプローチ可能なラインナップ
まず、DAISO、Standard Products、THREEPPYの3ブランドが提供する幅広い製品ラインナップはほとんどがオリジナル商品になっており、ブランド間での製品の重複がほとんどありません。例えば、Standard Productsは約2000点の製品を持ちそのほとんどがオリジナル商品になっており、THREEPPYに関しても約2400点の9割がオリジナル商品になっています。そのため、複合型店舗に訪れるとどのようなタイプの人でも、多くの場合気に入るものを見つけることができるでしょう。同じような機能を持っていてもデザインが異なるという点も強みと言えます。適切な製品マネジメントができていると言えます。(関連記事:製品の長さや深さとは -プロダクトミックス-)
ついで買い促進
また、幅広いラインナップをベースに、ついで買いも促進できると言えます。特に、DAISOは強いブランド力を持ち強い集客力を持つため、DAISO経由でStandard ProductsやTHREEPPYへの誘導が可能でしょう。DAISOに比べると知名度がそこまで高いとは言えない2ブランドですが、複合店出店を機により知られていくことが予想できます。逆に、Standard ProductsやTHREEPPYに目当ての製品を買いに来た顧客をDAISOに誘導することももちろん可能です。例えば、Standard Productsで揃わなかったものを「なかったらDAISO」という形で補っていくのも消費者の一つの購買スタイルでしょう。
ニーズのある立地への出店
3つの複合店(銀座店、草加店、池袋店)はこれまで商業施設の中にそれぞれオープンしており、池袋に関しては百貨店の中にオープンしています。百貨店と言うと売られている製品が比較的高価なイメージがありますが、安価な日用品があまり売られていない場所への出店はこれを逆手に取った戦略と言えます。また、銀座の店舗に関しても同様のことが言え、高級なイメージのある地域に足りていなかった「安価な大型日用品店」の出店は効果的だったと言えます。
まとめ
最近では無印良品などの日用品店が強大化していたり、ニトリなどの家具販売店が日用雑貨業界に寄ってきていたり、市場は激化しています。銀座においては複合店オープン前より3COINSの大型店舗が存在しており(2022年4月オープン)、激戦区になりつつあることが分かります。ダイソーの3ブランド複合店舗もこれらの企業への対抗策とも受け取れます。ただ、今回紹介したように、ダイソーの3ブランドはそれぞれ異なる製品を異なるターゲット層に向けて販売しており、他の企業にない強みを保有しています。今や日用雑貨店と一括りにすることのできない業界ですが、今後ともダイソー含めそれぞれの企業の動向に注目し続けたいところです。
参考:
PR Times “「DAISO」、「Standard Products」、「THREEPPY」が一堂に集結 3ブランドのグローバル旗艦店、銀座に4月15日オープン”
流通ニュース “大創産業/東武百貨店池袋本店のニトリ跡地に都内最大級の3ブランド複合店“
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