文化的共感を生み出すブランディング
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ブランドストーリーでブランドを語ってはいけない?
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ブランドストーリーでブランドを語ってはいけない?
ブランドストーリーでブランドを語ってはいけない?
何かを伝えたり、説明する時、物語にして伝えることはとても効果的です。ストーリーを読んだり、聞いたり、観たりすることで、脳が刺激されます。それにより、物語は人々の記憶・感情に大きな影響を与えます。時には、その人の価値観や考え方を変えることもあります。
起業やブランドがどのようなストーリーを伝えるかによって、人々が持つそのブランドのイメージが決まります。ブランドはストーリーの中で、自分たちが掲げる目標やミッションを実際に達成しようと行動に移している姿勢を見せることが効果的な物語にするための重要なポイントです。テレビCMなどで企業やブランドが自社の目標や存在意義をアピールするためのストーリーは多く見られます。しかし、それらの目標に対してブランドが実際に行動している姿を映していることは少ないのです。
今回は、消費者をブランドに引き寄せるストーリーをつくるための3つのポイントを紹介します。
1,ブランドパートナーや外部の人々ののストーリーを描く
商品を販売するブランドであれば、その商品は実際に作っている人やサプライヤーなどがパートナーになります。そのような人々の仕事がブランドが全体として持つ存在意義やミッションにどうつながるのかを考えます。
例えばアメリカのサステイナブルファッションブランドであるRothy’sは、ペットボトルを再生して作ったシューズを販売しています。リサイクル素材を使ったアパレルの販売に加えて、Envira Amazoniaという二酸化炭素の排出を減らすプロジェクトとパートナーを組んでいます。このパートナーシップの提携に関するストーリーはメディアに取り上げられ、その結果として環境問題やサステイナブルに関心のある消費者の注目と支持を集めることに成功してというケースがあります。
2,従業員にスポットライトをあてる
ブランド内で働く従業員たちは、ブランドの価値を高める上で顧客と同じくらい重要な存在です。
従業員のストーリーを描く際は、自社のスタッフがどれだけすごいか、優秀かを見せるのではなく、会社やブランドがどのように社員たち自身の目標の達成を助けているかというストーリーにすることが重要です。ブランドとしてただ優秀な人々を雇っているだけではなく、どんな従業員でもそれぞれが持つポテンシャルを発揮できる環境があることをアピールします。
3,顧客を中心にしたストーリーにする
本当に消費者に響くストーリーは、信憑性をもたせることが必要です。そこで、最も効果的なのは実際の顧客にブランドの価値を語ってもらい、周りに発信してもらうことです。
例えば、いくらそのブランドが、「私たちは死ぬまで使える、長持ちする洋服をつくります」とアピールしても、消費者に信じてもらえないかもしれません。一方で実際に服を購入した顧客が、その服を着て登山やハイキングを20年以上していても、まだ破れたりしていないという話を自分の言葉で、実体験を伝えたとしたらどうでしょうか。信憑性の高い実体験は、もっと消費者の心を動かすストーリーになります。
アウトドアアパレルブランドのパタゴニアは、このポイントを大きく活用したマーケティングを行っています。ブランドの価値である、商品のサステイナビリティや快適さを自分たちから消費者に伝えるのではく、顧客に伝えてもらっています。自社のウェブサイト上でパタゴニアを愛用する顧客のアウトドア体験や旅行などのストーリーを掲載しているのです。この活動によって、ブランドは自分たちのミッション、顧客への共感、商品のクオリティの3つを同時にアピールすることに成功しています。
参考:Forbes “To Deepen Brand Loyalty, Stop Talking About Your Brand” / Leeatt Rothschild (https://www.forbes.com/sites/forbesbusinesscouncil/2021/05/03/to-deepen-brand-loyalty-stop-talking-about-your-brand/?sh=99780fc30571)
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