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スタートアップにデジタル広告は危険?

スタートアップの企業にとって、有料広告を展開することは効果的なのでしょうか。

例えば、精巧なビジネスアイディアと精一杯の時間と労力をかけて開発した完璧な商品を備えて起業しようとする会社があります。起業の準備を整え、いざ会社をスタートアップした後、人々に自分たちの商品の存在をしってもらうためにGoogle、Facebookなどのデジタル有料広告に投資します。ところが、商品はいっこうに売れません。

このような状況に直面するスタートアップは少なくありません。では一体何が原因なのでしょうか?

「単に広告内容が適当ではなかった」という理由も考えられますが、広告の内容はそこまで影響するものではないと言われています。広告内容の最適化は、顧客獲得のコストへの効果を左右する一方で、広告の効果に本質的に変えるものではありません。

ここで理解するべき重要な点は、オンラインの有料広告は効果を生み出すものではなく、既存の効果を増幅させるものであるということです。

そして、値がゼロのものを増倍させても意味がありません。

そのため、市場の中で商品に対してのニーズが確立されていなければ、PPC(Pay Per Click)のようなデジタル広告に費用をかけることは、単なる費用の無駄遣いになってしまいます。言い換えれば、有料広告の効果は顧客獲得にかかるコストと顧客生涯価値の差によって決まります。

“有料広告の価値 = 顧客生涯価値 — 顧客獲得コスト”

顧客生涯価値について詳しくはこちら ☞ 顧客生涯価値から業務リソースを最適化する

市場に出そうとしている商品やサービスにプロダクトマーケットフィット∗がなければ、その商品・サービスの顧客生涯価値は現実的にゼロの値をとります。

プロダクトマーケットフィット(PMF):顧客の課題/ニーズを満足させる製品やサービスを提供し、それが適切な市場に受け入れられている状態。

したがって、スタートアップの企業にとって、効果を生み出すために本当に必要なのは有料広告ではなく、このプロダクトマーケットフィットなのです。逆に言えば、スタートアップであっても、提供する商品やサービスを購入してくれる顧客層や彼らのニーズをしっかりと確立していれば、その分だけ広告などで顧客に商品やサービスの必要性をアピールすることによる効果は大きくなります。

結論として、商品やサービスが販売できる段階になったとしても、やみくもに有料広告を始めることは適切でないと言えます。まずは、自社の商品・サービスに対して、実際の市場におけるニーズはあるのか、どの顧客層をターゲットとするのかを明確にすることが求められます。

オンラインの有料広告は新しい商品やサービスの成長を生み出す手段としては期待できない一方で、これから市場に出したい商品やサービスのアイディアを検証する手段としては有効かもしれません。

GoogleやFacebookなどのクリック広告では、広告を表示するユーザーをセグメントごとに選ぶことができるというメリットがあります。その機能を活用して、ターゲット層となるユーザーに自分のアイディアを示したクリック広告を表示します。そうして得たクリック数から、顧客がその商品やサービスのアイディアに対してどれだけ興味があるかを調査することができます。これは、商品をリリースする前に市場にニーズがあるかどうかを検証するのにとても便利な検証方法です。

参考:Forbes “Are Paid Ads A Good Idea For Early-Stage Startups?” / Abdo Riani (https://www.forbes.com/sites/abdoriani/2021/04/02/are-paid-ads-a-good-idea-for-early-stage-startups/?sh=707c796921