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ダイナミックプライシング とその可能性

ダイナミックプライシング とその可能性

投稿日:2020年11月16日/更新日:2021年6月22日

ダイナミックプライシング

ダイナミックプライシング という 言葉を 耳にしたことがあるでしょうか。 ダイナミックプライシング とは、同じ商品 や サービス でも、 その時の 需要と 供給に 合わせて 価格を 変動的に 設定 することです。昨年から 様々な 業界・企業 で ダイナミックプライシング導入 が検討、 実行 されています。 これまでも 集客 によって 売り上げが 伸びる商品 や サービス の価格設定 では、 需要量 に合わせた 価格設定 が行われてきました。 その 代表的な例 として、 航空券 があります。 夏休みや GW 、年末年始 などの 旅行への 需要が 高い時期 は、他の時期と 比べて 特に 高くなります。 では、ダイナミックプライシング とは このような 変動的 プライシング と 具体的に どのように異なるのでしょうか。 ダイナミックプライシング の概要と 収益増加への 可能性 について 見ていきます。

これまでの 変動的 プライシング

航空券 の例 のように、時期や 時間帯 によって 値段が 変わる というシステムは 以前から 私たちの 身近に 存在していました。 スーパーや パン屋 の閉店前の 値下げや 居酒屋 の ハッピーアワー 、 映画館の 平日割引 などです。 変動的 プライシング は、 販売者の これまでの 経験 から学んだ 消費者の 需要の変化を 価格に 反映させ、 収益を 最大化 させることが 目的です。

ダイナミックプライシング とは

変動的 プライシング との違い

ダイナミックプライシング は、変動的 プライシング と異なり、 高頻度 で 価格が 変動 します。なぜなら、 販売者の 知見や 感覚 などの 定性的判断に 基づいた 需要の変化に 対して、 ダイナミックプライシングは 蓄積された ビッグデータ から 算出した 需要の 変化を もとに 設定 されるからです。そのため、 需要の 変化が より細かく 分析され、 それに合わせて 価格が 動的 (ダイナミック)に 設定 され、高頻度で 変化 します。

デジタルの発達 によって 可能になった

ダイナミックプライシング という システムが 生まれた背景には、デジタルの 発達 があります。デジタル技術 によって、 収集 された ビッグデータから 商品やサービス の人気度(需要) が可視化 されます。それに 合わせた 価格を リアルタイムで 設定変更 できるようになったのです。 需要と 供給を分析した上で、 適正価格を 設定することこそ、ダイナミックプライシングの役割なのです。

ダイナミックプライシングのメリット

このように、需要の細かい変動に合わせて価格を変動させることには以下のようなメリットがあります。

  • 価格の最適化による企業の収益の最大化
  • 商品の売れ残りの削減
  • サービス提供時の混雑緩和
ダイナミックプライシングのデメリット

メリットがあれば、必ずデメリットもあります。ダイナミックプライシングの大きなデメリットとして、顧客の信頼低下が挙げられます。消費者の立場から見ると、同じ商品なのに時期によって価格が異なることに違和感を感じる人いるかもしれません。なぜなら、価格とは本来顧客に対して商品が持つ価値であり、商品そのものの価値が反映されなければなりません。商品そのものの価値を無視して、需要が高いからという理由だけで価格を上げることは、消費者の信頼を低下させることにつながります。

例えば、ホテルの宿泊料金。需要の高い連休中だからと言って、ホテルが提供するサービスや部屋の質などに見合わない値段を設定すると、顧客は騙された気分になり、「もうこのホテルは選ばない」と思うかもしれません。結果的に、将来的な損失につながります。

ダイナミックプライシングの実例

これまでダイナミックプライシングと言えば、航空券やホテルなどシーズンごとに決まって需要が変わる商品やサービスが中心でした。しかし、近年は日にちや時間ごとのより細かい需要の変化をとらえることができるため、様々な業界や分野でダイナミックプライシングの導入が検討されています。

LAWSON 食品ロス削減を叶えるダイナミックプライシング

大手コンビニエンスストアのLAWSONは昨年、個々の商品に電子タグをつけることで、会計の際に商品の賞味期限が把握され、それによって価格が変動的に設定されるシステムの実証実験を行いました。コンビニ業界では、サプライチェーンの中での食品ロスが昨今の共通の課題となっています。その解決策として、ダイナミックプライシングによる需要のコントロールを目指しています。

エイベックスエンターテイメント ライブチケットにダイナミックプライシングを導入

ライブコンサートの運営などを行っているエイベックスエンターテイメントは、三井物産子会社ダイナミックプラスと手を組み、ライブコンサートチケットの価格設定にダイナミックプライシングを導入を目指しています。チケットの需要は、様々な要因が影響しています。チケットが購入される次期や需要、市況、天候などに関するビッグデータを活用し、AI技術によってリアルタイムで最適な価格設定を行うシステムの開発を行っています。

プライシングに関するその他の記事はこちら「購入者ベースの価格設定

 

参考:「ダイナミックプライシングと行動経済学」(https://note.com/yoshida_method/n/n72320498c0c6

「ローソン、電子タグを用いた実証実験開始 店舗でのダイナミックプライシングターゲティング広告を実施」(https://markezine.jp/article/detail/30361

「エイベックス・エンタテインメントと三井物産子会社が提携 音楽領域にダイナミックプライシングを導入へ」(https://markezine.jp/article/detail/31295

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