そのマーケティング施策、逆効果かも。短期戦略の落とし穴
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見失われがちなマーケティングの価値創造を考え直す
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見失われがちなマーケティングの価値創造を考え直す
見失われがちなマーケティングの価値創造を考え直す
経済は本質的に、「価値」が全てです。その観点に沿って言えば、マーケティングの役割は「経済で求められる価値をどう生み出すか」ということになります。マーケティングにおいて生み出される価値は、総じてブランド価値と呼ばれることもあります。ブランド価値の創造とは、顧客にとって、値打ち、関連性、新しさ、信頼のある経験を継続して提供することを約束するものです。
このようなビジネスにおける価値の創造には主に2つの方法があります。それは、マーケティングとイノベーションです。近年は、デジタルテクノロジーの繁栄によって、イノベーションによる価値創造が重視されています。デバイスやデータ、アルゴリズム、デザイン、システム開発などによって、顧客にとっての便益を生み出しています。一方で、スウェーデン人でオクラホマ大学の教授、Per Bylundは、マーケティングによる価値創造の本質が見失われていると指摘されています。
マーケティングによる価値創造とは
マーケティングとは、顧客を知り、理解することで、商品・サービスがフィットするセグメントに対して、必然的にニーズが生まれる仕組みをつくることです。アメリカのノースウェスタン大学の有名な教授で、マーケティング学者のフィリップ・コトラー氏は、マーケティングを「ターゲットとする顧客を満足させるために、価値を探索、創造、提供すること」と定義しています。
Bylund氏は、経済学者や経営者、起業家や研究者などに将来における生産性を予測する際には、その商品やサービスが生み出す価値に注目するべきといいます。
例えば、天然資源である石油が、人々が様々な用途を見出した結果、経済資源となり、現在の価値が生まれました。このように、商品やサービスは人々が用途を見出し、ニーズを満たしてこそのものなのです。
価値の創造は、価値を管理すること
また、マーケティングによる価値の創造は、実際に価値を生みだすというよりは価値をマネッジ(管理)するという意識が大切といいます。なぜなら、商品やサービスの価値は、顧客の感覚によって決まるためです。マーケティングによって、この商品やサービスに対する顧客の感覚に影響や変化を与え、価値を高めることが可能ですが、もともとの感覚を大きく変えることは難しいため、「経営者やマーケターは価格は設定できても、その価値を設定することはできない」とBylund氏は述べています。
商品やサービスの持つ価値を管理するために、ブランドの持つ資源を最適に活用することが求められます。このためには、常に顧客にとっての価値の創造を念頭に置いて考えることです。
参考:Forbes “The Economics of Brand Value” / Larry Light (https://www.forbes.com/sites/larrylight/2019/03/06/the-economics-of-brand-value-creation/?sh=548e50e94491)
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