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将来の食生活を支えられるか?「 スマート農業 」の挑戦と課題

将来の食生活を支えられるか?「 スマート農業 」の挑戦と課題

投稿日:2021年11月6日/更新日:2021年11月6日

スマート農業

生活する上で必要不可欠な食物を育てる農業分野ですが、いま、ITやAIなどを活用した次世代型の農業「スマート農業(スマートアグリ)」が登場し、注目を集めています。

今回はスマート農業とは何なのか、どのように実践されているのか、メリット、デメリットを考えていきます。

 

スマート農業とは?

農林水産省によると、「スマート農業」は「ロボット技術やICT等の先端技術を活用し、超省力化や高品質生産等を可能にする新たな農業」と定義されています。

手作業からトラクターなどの機械へと力仕事は移行し、収穫物の運搬もクルマなどを用いた自動化は進んだ。

しかし、人間の判断に依存する部分は依然多く存在しており、これらの部分をスマート農業が担っていくと考えられます。

 

スマート農業の3つの目的

スマート農業を取り入れることで生まれるメリットを考えてみましょう。

1. 農作業の省力化・労力軽減

農家の高齢化が進み、深刻な労働力不足に陥っている分野においてITを取り入れることにより農作業の省力・軽労化を期待することができます。

2. 農業技術の継承

新たな農家に対する栽培技術力の継承も期待することが期待できます。

跡継ぎや農業を継承する人材不足問題に対処するために、これまで家族の継承のなかで培われてきた農業技術を、スマート農業のシステムなどによって継続的に継承していけるようにすることが期待されています。

3. 食料自給率の向上

食料自給率対策としてもスマート農業は活躍するかもしれません。

輸入が自国生産を大幅に上回っている日本において、自給率をたかっめるためには限られた人員で確実に収穫物を育てなければなりません。

それを実現させるためにはセンサーやロボットによる自動化は欠かせない要因となります。

 

 

スマート農業の取り組み例

・ビッグデータ×農業

センサーによる計測などで集められたビッグデータを解析し、効率的な栽培管理に活用する手法などが行われています。

たとえば、日照時間や気温などの要因が生育状況や病気にどのように影響を受けているのかがデータ解析により誰でも手軽にわかるようになります。

過去のデータをもとに生育の傾向を導き出し、確実に成熟した作物の収穫に結びつけることができます。

 

・人工知能(AI)×農業

新規就農者向けの技術やノウハウをAIを用いてシステム化、提供することが可能になります。

これは、農業未経験者でも情報を得ることができるようにすることで、人材不足の解決に貢献する可能性があります。

また、AIを用いて作物の状態から成長度合いを解析し、適切な収穫時期を予測・提言するプログラムなども開発・実用化されています。

 

 

スマート農業のメリット

肉体労働の軽減・作業効率化

作業の自動化により、きつい、危険な作業は人間から機械へシフトします。

また、機会を用いることにより作業の効率化が図れ、生産量の向上も期待できます。

 

ノウハウのデータ化&活用

農業のノウハウや技術をデータ化することで、だれでも農作業に従事することが可能になります。

コンピュータが微調整などを行うため、経験によるノウハウは必要なくなり、誰でも同程度の農作物を栽培がかのうになります。

 

持続可能な社会を実現するための有機栽培・減農薬栽培の推進

従来は、収穫量の増加、農作業の軽減を目的として、農薬を用いた雑草や病害虫の防除を行ってきました。

もちろん農薬は環境、人体どちらにとっても利用しない方が良いです。

そこで、必要な時、場所にだけ必要な量の農薬を使用することで、無駄な利用を防ぐことができます。

これは人体、環境にとってはもちろん、農家のコスト面に対してもポジティブな影響を与えます。

 

 

スマート農業のデメリット、これからの課題

イニシャルコストが割高

導入にあたってのイニシャルコストが通常の農機と比べて割高になります。

また、導入後でもIT活用が始まったばかりの農業分野では、費用対効果の見通しが立てにくい側面もあります。

スマート農業実施者の不足と育成

スマート化のための人材育成は必要不可欠な要素です。

農業従事者層は高齢化が進んでおり、このようなスマートデバイスをすぐに活用できる人は少ないのが現状です。

そのため、スマート機器を使いこなすためのサポート体制や、ITに精通した人材の育成が農業分野の課題となりつつあります。

農家への新たな作業負担

スマート農業の導入は、導入する農家側に金銭的・時間的・技術的な負担を与えます。

高齢化する農業従事者にとってデバイスを用いたデータ管理などは非常に大きな負担となり、最大の懸念となっているのが現状です。

 

 

スマート農業には大きな可能性があることは間違いありませんが、一方で大きな負担、困難があることも事実です。

今後どのようにスマート農業が普及していくのか非常に注目です。

 

 

参考:「スマート農業」とはどんなものか? ICTを活用した農業のメリットと導入の課題 | 農業とITの未来メディア「SMART AGRI(スマートアグリ)」 (smartagri-jp.com)

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