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購入者ベースの価格設定

購入者ベースの価格設定

投稿日:2020年8月4日/更新日:2021年6月22日

 

”Pay What You Want”という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

日本語にすると「払いたいだけ払う」という意味になります。

 

現在この方針を取り込んだ飲食店がアメリカを中心に増加しつつあります。

 

 

Pay What You Want(PWYW)とは?

このシステムは、簡単に言えば、価格設定を購入者が管理できるモデルです。

推奨価格を提示している店もあれば、提示がなく顧客が価格を決める店もあり、払える額により料理の量を増減できる店もあります。専属のシェフやウエイター・ウエイトレスを雇用している店もあれば、ボランティアが運営しているところもあり、1時間のボランティア作業の対価として1食無料で提供する店もあります。
PWYWを採用する目的は、レストランに行くことが難しい低中所得層にも新鮮でおいしい料理を食べてもらうこと、そして、善意と信頼の輪を広げ、地域内で助け合うこと。つまり、格差是正と地域社会の充実です。政府の対策に頼るのではなく、地域内で住民自らが問題解決を図ろうとする取り組みです。

利益・事業性は?

2009年に出版されたレポートによると、

20%は適正価格より低く、60%はほぼ適正価格、20%は適正価格よりも多く支払うという調査結果が明らかにされました。(https://pdfs.semanticscholar.org/9ebe/d490e13b4ba94420a7845e1995250d3250f9.pdf)

上記より、実際にこのシステムで店舗を運営していくには不可能ではないにしろ厳しい現実があります。

 

 

 

外的要因の重要性

また、家賃や周囲の環境なども大きく事業の進展に関わることも明らかです。

実際にアメリカにあるPanera Breadはこの方針を用いた事業に失敗、店舗の閉鎖を行いました。

ある店舗の周囲の環境が学生、ホームレスにより悪化、さらには彼らによる無銭飲食が続いたことにより店舗の総ランニングコストのおよそ60%-70%程しか回収することができない状況に陥りました。

 

このケースから分かるように、本来目的としていた地域内での親睦を深め、互いに助け合うことに成功する事例もある一方で、地域の治安悪化につながるケースも実際に表れています。

 

”Pay What You Want”というシステムを使うことは実際問題、非常に厳しい状況になっています。しかし、今後上手く利益を上げることができるようになれば格差是正、地域社会の充実につながる可能性を持つシステムになっています。

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