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購買ピラミッドを用いたマーケティング戦略は有効なの?

購買ピラミッドを用いたマーケティング戦略は有効なの?

投稿日:2022年5月26日/更新日:2022年5月26日

購買ピラミッドを用いたマーケティング戦略は有効なの

マーケティング戦略を練る際、切り離せないことが自社サービスや商品の顧客層ごとのアプローチです。
本記事では、6つの顧客層からなる購買ピラミッドと、それを元に顧客起点で行うマーケティング手法について紹介します。

購買ピラミッドと顧客ピラミッドの違い

マーケティング戦略を立てる上で、「購買ピラミッド」と聞くと「顧客ピラミッド」を連想する方が多いのではないでしょうか?購買ピラミッドとは、自社商品やブランドを購買・認知した顧客のピラミッドです。一方顧客ピラミッドとは、購買経験のある顧客からターゲットとなる認知のない顧客までを含め、自社商品やブランドとの関係性を表したピラミッドです。

本記事では、前者の購買ピラミッドについて解説します。

顧客ピラミッド引用:“顧客起点”で経営とマーケティングを革新する「顧客ピラミッド」の使い方

 

購買ピラミッドの6つの顧客層

アンマーケティング出典:スコット・ストラッテン、アリソン・クレイマー『UN MARKETING(アンマーケティング)』を元に作成

スコット・ストラッテン、アリソン・クレイマー『UN MARKETING(アンマーケティング)』によると、購買ピラミッドは以上の6つにセグメント分類できます。
ピラミッド上部の理由で商品やブランドが選ばれている場合には、市場において競合他社との差別化やファンマーケティングがうまくいっていると言えます。

満足している既存顧客

満足している既存顧客とは、現時点で商品購入やサービス利用をしている顧客のことで、商品やブランドに対するファンを含みます。その中でも、購入・利用頻度の高い顧客はロイヤル顧客であり、パレートの法則によるとこの上位顧客層が利益の8割ほどを占めると言われます。
満足している既存顧客を増やすためには、一度購入(利用)をした顧客に繰り返し購入(利用)してもらうために、競合との差別化やアフターサービスを充実させるなどの対策をとる必要があります。

信頼できる情報源からの推薦による顧客

信頼できる情報源からの推薦とは、知人の口コミ・SNSなどの発信により、商品やブランドに興味をもち購買に至った顧客です。自社商品を推薦してくれる既存顧客を増やすことで、新たな顧客へと口コミが広がります。

購入したことはないが付き合いのある潜在顧客

自社ブランドの存在を認知されていたり、SNS等での繋がりはあったりするけれど、購入(利用)には至らない潜在顧客を指します。その市場において消費者が必要なものを探す際に選択肢に上がるかどうか、1番に選ばれるかどうかが重要です。
普段から、ブランドのコンセプトや商品の提供価値をはっきりとさせることで、自社に対する潜在顧客の信頼を得ましょう。

ある分野のエキスパートであると認めている顧客

「〇〇はこの専門分野に精通している」「このジャンルなら〇〇の商品(サービス)だ」と世の中に認められている状態であれば、自社をエキスパートであると認めている潜在顧客は多くいるでしょう。そのような顧客はいずれ新規顧客へとなることが大いにあるので、普段から潜在顧客の目につくよう、特定分野に関する情報発信をするようにしましょう。

広告や、インターネット検索により得た顧客

この顧客は、そもそも自社ブランドや商品に対して認知のない顧客です。そのため、消費者が欲しい商品・サービスを調べる際に広告やインターネットなどを通して認知させるしかありません。購入や利用の意思決定には、キャッチーなフレーズや価格が大きく影響します。広告やインターネットを通じて新規顧客となったとしても、数ある中の1商品・サービスとして認識されてしまうこともあります。

コールド・コールにより得た顧客

コールド・コールとはつながりのない相手に対する飛び込みの電話営業のことで、BtoBであれば企業の担当者へ、BtoCであれば認知のない潜在顧客へ、商品やサービスのアプローチを行います。
顧客のリストさえあれば可能な集客方法ですが、購入や契約に結びつけるにはハードルが高いです。コールド・コールにより顧客を得たとしても、長期にわたり利用してもらえるとは限らないため、この顧客層を増やすことは良い施策とは言えません。

購買ピラミッドの上位顧客を獲得するためのマーケティング戦略

「満足している既存顧客」つまり、ロイヤル顧客を増やすためには、現時点でいるロイヤル顧客を競合に流さないことが重要です。ですが、全てのロイヤル顧客を維持することは不可能ですし、しつこくプッシュ型のアプローチをするとマイナスに働くことも考えられます。
そのため、購入経験のある顧客層や、購入経験はないが付き合いのある潜在顧客、エキスパートだと認めてくれている潜在顧客に対して施策を打つことも同時に行うべきです。

そのためには、購買ピラミッドを元に顧客をセグメントに分け、それぞれに対するマーケティング戦略を行いましょう。セグメントにより、たてる戦略や利益になるまで期間は異なるので、優良顧客やファンを獲得するためにまずは購買ピラミッドを用いて自社の顧客層を正確に把握しましょう。

近年では、セグメンテーションよりさらに細かく顧客にアプローチするパーソナライゼーションが注目されています。
パーソナライゼーションに関する記事はこちら↓

これからのパーソナライゼーションのための2つの考え方

パーソナライゼーションで見直すべき2つの顧客層

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