世界で注目。サスティナビリティ と ビジネスの関係性
Blog/Opinion
テレビCMバイイング 理解度チェック
- TOP
- BLOG/OPINION
- ビジネス
テレビCMバイイング 理解度チェック
テレビCMバイイング 理解度チェック
あなたは賢くテレビCMを買えている?
昨今のデジタル化の発展やWeb・動画コンテンツの拡充により、動画広告を筆頭にオンライン広告市場は大きく成長しています。年々テレビ視聴量は減少傾向にある一方で、テレビCMの認知拡大力はなお圧倒的とされているのも事実です。情報を同時多数の消費者・ユーザーへ迅速に幅広く展開でき、マスメディアの中でも社会への影響力が高い媒体であるテレビでCM広告を出稿することは、視聴者の信頼形成にも大きな役割を果たします。
企業はそういったテレビの力を活用し、
「自社ブランドの認知率を向上させたい」
「商品やイベント情報を宣伝し売上アップに繋げたい」
など、様々な目的でテレビCMを放映しているかと思います。
一方、テレビCMは放映されるタイミング・CM素材・買い方などによって、費用・ターゲット効率などが大きく変わる複雑な広告媒体です。認知向上や信頼形成の効果は絶大ですが、高額なお買い物。
何も知らずに買っていると、非効率的な買い物になってしまっているかもしれません。
テレビCMバイイングに関する基礎知識のチェックリストで、皆さんはどこまで知っているか確認してみませんか?
そもそも視聴率とは?視聴率と視聴質の違いって?
視聴率とは、テレビ番組・CMが「どのくらい人々に見られたか」という視聴量の大きさを表す指標の1つです。調査対象全体に対して、特定の番組・CMを視聴していた世帯・個人の割合が視聴率となります。
対して視聴質とは、「視聴者が本当にテレビ画面を注視していたのか」を測る指標です。各家庭のテレビにカメラを設置し、顔の角度や目の動きからどれほど専念視聴したかを測定することによって、視聴率だけではカバーできなかった価値を測る新たな指標となりつつあります。
視聴率の合計を表すGRP・TARP
GRP(Gross Rating Point)は、「延べ視聴率」のことを指し、一定時間に放送されたテレビ番組やCMの視聴率を合計した数値です。GRPは放送したCMのパフォーマンス分析や、CM購入時の指標として用いられる単位であり、テレビCM施策の際には知っておくべき重要な指標です。
2023年現在、CM取引指標としては個人全体視聴率(タイムシフト視聴含む)が一般的です。
TARP(Target Audience Rating Point)は、個人=ターゲットを対象にした延べ視聴率です。GRPは広告取引に用いられますが、TARPは主にマーケティングの観点で指標となることが多いです。
テレビCMバイイング 理解度チェックリスト
1. テレビCMにはスポット・タイムの2種類があることを知っている?
- スポットCM:番組を指定せずに流すCM。
- タイムCM(番組提供):特定の番組を指定して番組内で流すCM。
2. スポットCMには販売パターンがあることを知っている?
露出時間帯によるパターン=出稿ゾーン(全日・ヨの字・コの字・逆L・一の字など)を選んで購入します。時間枠を狭めれば狭めるほどターゲットに当たりやすくなりますが、単価は高額になります。
(例)
出稿ゾーン例
- 全日:日中でも在宅者が多い主婦層を中心とする幅広いターゲット層。食品・日用品など
- コの字:学生・ビジネスマン向けとする飲料・精密機器・化粧品など
- 逆L:若年層を中心に、視聴率の高い番組が多いとされる時間帯。自動車・家電・通信など
3. スポットCMの放映タイミングが2種類あることを知っている?
番組時間内のCM枠に放映されるPTと、番組放映時間終了後から次の番組放映時間開始までの合間に放映されるSBの2種類があります。SBは番組終了後~次の番組開始までのタイミングとなるため、ザッピングされやすくCMの視聴率も下がる傾向にあります。また、飲み物を取りに行ったりスマホを触るなどの小休憩を取る人も多いため、視聴質も下がりやすいと考えられます。
4. スポットCM費用はどうやって決まるか知っている?
スポットCM費用=単価(パーコスト)×出稿量(GRP)
- パーコスト 1 GRP (視聴率をポイント化して表したもの)あたりのコスト。各放送局が独自に設定しており、放映時間帯・出稿時期など様々な要因でパーコストは変動する。
- 出稿GRP 出稿するゾーンを決め、何GRP分放映するかを決める。広告目標や予算に基づき設定することが多い。
5. CMに繁忙期・閑散期があるのは知っている?
一般的に、新年度や新生活が始まる3月、ボーナス期・年末商戦期である11月・12月が繁忙期となりCM需要が高まるため、年間の中でも比較的高単価になる傾向があります。逆に、飲食業・小売業が閑散期となる1・8月頃はCM需要も下がる傾向があります。
しかし昨今では、世情の繁閑に関わらず閑散期にも積極的にCM出稿する企業が増加しているため、季節性によるCMの繁忙期・閑散期の波は平坦になっていきています。
6. CM秒数によって単価が変わることを知っている?
スポットCMは15秒が一般的です。ブランド戦略などによって30秒・45秒・60秒・・・などの長尺素材を出稿する場合がありますが、長尺になればなるほど高単価となります。
7. 業界平均CMコストがあることは知っている?
業界平均コストと呼ばれる指標があることはご存じですか?
スポットCMの単価は、局・放映時間帯・出稿時期など様々な要因によって変動します。業界平均コストは、各放送局が発表しているスポットCM売上をベースに算出される市場平均単価です。この業界平均コストを基準として、自社のコストが平均に比べ高いのか安いのかを判断することができます。
8. 視聴率にはリアルタイム視聴率・タイムシフト視聴率という種類があることを知っている?
- リアルタイム視聴率:番組の放送時間中にリアルタイムで視聴した割合のこと。
- タイムシフト視聴率:番組放送から7日間(168時間以内)の間に録画再生された割合のこと。
現在メジャーエリアにおいてスポットCMの取引指標として導入されているのはP+C7という視聴率です。
- P (Program Rating):番組平均リアルタイム視聴率のこと。
- C7 (CM Rating / 7日間内再生):番組放送から7日間内に再生されたCM枠平均視聴率の延べ視聴率(=同一人物が複数回視聴した場合、回数分がカウントされる)のこと。
9. 購入する視聴率と、実際のCM視聴率では視聴率の種類が違うことを知っている?
購入するときの視聴率は「番組平均視聴率」、実際CMが露出された時点での視聴率は「時点視聴率」と言い、視聴率の集計対象となる時間範囲が異なります。
詳しくは例に沿って見てみましょう。
(例)
◆CM購入時
線引き(出稿するスポットCM枠を選定する作業のこと)時、番組A内でスポットCMを1本流すことにしました。 このとき、番組Aの過去の番組平均視聴率(番組開始時刻から終了時刻まで通しての平均視聴率)を基に購入GRP量が決まります。 番組Aの過去の番組平均視聴率が10 GRPであった場合、推定で10 GRP獲得できるとして10 GRP分の費用を放送局へ支払います。
↓
◆CM放送後
実際に番組A内でスポットCMが1本放映されました。予定では10 GRPでしたが、実際に流れたCMでは何GRP分獲得できたのでしょうか? これを測るのが「時点視聴率」です。番組平均視聴率は番組コンテンツ・タイムCM・スポットCM全てを含む平均視聴率ですが、時点視聴率はCM放映時点での視聴率であるため、CM露出時に限りなく近い視聴率です。 そのCMが実際どれくらいの人に視聴されたかを測るには、番組平均視聴率よりも時点視聴率の方が正確であると言えます。
購入した視聴率とCM露出時点での視聴率では計測対象となる時間範囲が異なるため、2つの視聴率間に差分が生じることがあります。
10. スポットCMはターゲット視聴率で購入できないことは知っている?
現在日本のテレビ局ではターゲットGRPでのCM購入はできません。現在多くのエリアで採用されている取引基準は個人全体視聴率と世帯視聴率です。
- 世帯視聴率:家単位で測定される視聴割合。全体世帯数のうち何世帯が視聴していたかを示す。
- 個人全体視聴率:人単位で測定される視聴割合。全体人数のうち何人が視聴していたかを示す。
従来は世帯視聴率での取引が基本でした。元々は1家庭に1台テレビがあるという考えでしたが、現在は1家庭に複数台のテレビがある時代に変わり、家庭内でも各々が別行動を取ることが当然となっています。 世帯から個人全体へ取引基準が変わることで、家単位ではなく各個人の視聴傾向にフォーカスするテレビの在り方に変化しているのです。
あなたはいくつ知っていましたか?
いかがだったでしょうか?
チェックが8個以上だったあなたは、テレビCMバイイングに関する基礎知識が身についています。チェックが7個以下だったあなたは、非効率な買い物をしてしまっているかもしれません。より効果的なアプローチがありそうです。
チェックリストの内容はテレビCMを買う上で全て知っておいて損はありませんので、知らなかった項目についてはぜひ理解を深めてみてください。
最後に
弊社では、企業のマーケティングパフォーマンス最大化を実現するため、
テレビCMバイイングを始めとしたメディアマネージメント・マーケティングコンサルティングサービスを提供しています。
より効果的に、より効率的にテレビCMを買いたい
知識をさらに身につけたい、深く理解したい
という方は、お気軽に弊社までお問い合わせください。
関連記事
scroll