グローバル化を考える
Blog/Opinion
アウトレットモールが開業ラッシュ?今だからこそ拡大するワケ
- TOP
- BLOG/OPINION
- ビジネス
アウトレットモールが開業ラッシュ?今だからこそ拡大するワケ
アウトレットモールが開業ラッシュ?今だからこそ拡大するワケ
近年では新型コロナウイルスの影響も相まってEC販売の波が加速しており、実店舗販売を行う企業は不利な状況に立たされています。そのような中で、アウトレットモールも同じく打撃を受けていると予想されますが、逆に新規店舗の開業を複数予定しているようです。本記事では新型コロナウイルス流行後のアウトレットモールの動向に加え、今後の予定と拡大の理由について考えていきたいと思います。
関連記事:新宿東口「ビックロ」が閉店、その理由は?
コロナ禍のアウトレットモール業界
まず、新型コロナウイルス流行後のアウトレットモール業界について振り返ってみます。コロナ禍に入り、百貨店などを含む多くの大型商業施設は打撃を受けました。それと同時にいくつかのアウトレットモールも打撃を受けているようです。例えば、八ヶ岳リゾートアウトレットは新型コロナウイルス流行後来店者数及びテナント数が減っており、閉店も近いのではと一部では噂されています。
ただ、そのような店舗がある一方で、アウトレットモールは全体的に好調だと指摘する意見もあります。実際に営業収益を見てみても、コロナ流行直後緊急事態宣言中は落ち込んだもののすぐに立ち直っていることが分かります。後ほど説明しますが、アウトレットモールはコロナ禍において比較的需要があり、その結果開業ラッシュに至ったと言えます。
開業ラッシュ
2022年から2024年にかけて、複数のアウトレットモールが開業しようとしており、ここではいくつか紹介したいと思います。まず、2022年4月には福岡県北九州市に「The Outlets Kitakyushu」がオープンしました。元々あったイオンモール八幡東と隣り合う形で建設されたため、地域の利便性が向上したと言えます。
また、関東で注目を集めているのが2022年10月に埼玉県深谷市に開業予定の「ふかや花園・プレミアムアウトレット」です。三菱地所・サイモンが運営を行うプレミアムアウトレットとしては10年ぶりの新店開業となり、深谷エリア活性化の大きな一手となりそうです。また、三菱地所・サイモンは2024年(予定)には京都府城陽市に「京都城陽プレミアム・アウトレット」も開業予定です。それぞれ様々な複合施設も併設され大規模なアウトレットモールになることが予想されています。
関西で最も注目を集めているのが2023年春に大阪府門真市に開業予定の三井不動産による複合型大型商業施設です。「三井ショッピングパーク ららぽーと」と「三井アウトレットパーク」が一体化した複合施設で、門真市の更なる発展が期待されます。
その理由
コロナ禍でもアウトレットモールは好調で新しい店舗が次々開業していますが、その理由は複数あると考えられます。こちらでは考えられる理由を三つ挙げてみます。
低い感染リスク
まず、アウトレットモールは比較的感染リスクが低く、コロナ禍においても需要が落ちなかったと言えます。コロナ禍において外出しようとした際、一般的な商業施設では心配な人も多いでしょう。その点、広かったり屋外型の店舗であったりするアウトレットモールは顧客も安心して来店することができるため、外出の際の選択肢として選ばれやすいでしょう。アウトレットモールは元々海外の顧客からも需要がありましたが、コロナ禍に入り海外の顧客はほぼゼロになりました。その一方で、国内の顧客はその減りを補填するような形で増加したと言えます。
地方の需要向上
次に、地方における需要が増えたことも関係していると言えます。コロナ禍に入り2021年頃には東京への人口流入数は従年と比較しても減っており、近年では地方から出なかったり首都圏から地方に移住したりする人が増えています。これはテレワークなどをはじめとした非対面の生活様式が一般化していることが関係していると言えます。その影響から最近では一部の地方では活性化が進んでおり、上に挙げた開業予定のアウトレットモールも地方を中心に展開していることが分かります。
「商業施設」ではない
また、アウトレットモールが百貨店などの商業施設と比較して打撃を受けていない理由として「顧客が施設に対し求めるものが違う」という点が挙げられます。例えば、百貨店は品揃えに強みを持っており、モノを売ることを目的としていたためコロナ禍に入りECサイトなどの更なる普及などの影響を受けて現在苦境に立たされている店舗も多いです。その一方で、アウトレットモールは衣料品などモノを売りつつも、メインの商売はそれではなく空間を提供することを目的としています。フードコートがあったりドッグランが併設されていたりなど、商業施設というよりかはエンターテインメント施設と呼ぶ方が適切かもしれません。そのため、ECサイトなどに地位を脅かされることはなく、そのサービス性で勝負できたと言えるでしょう。
関連記事:アフターコロナに経験価値マーケティングは必須?企業事例3つ紹介
まとめ
今回紹介したように、アウトレットモールは新型コロナウイルス流行後多少の打撃は受けたものの、保持するポテンシャルによっていち早く立ち直ることができました。特に、商業施設の枠にはまらないようなエンターテインメント性を持つため、他の商業施設が苦しまされる中、国内の顧客を今まで以上に獲得することができました。また、現在はコロナ禍における地方の需要拡大から更なる事業拡大を進めている段階だと言えます。今後増えてくるアウトレットモールに一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
参考:
Diamond Chain Store Online “コロナ禍でも絶好調「プレミアム・アウトレット」出店のねらいとECへの対抗策とは?”
Yahoo! News “2023年春に「コストコ+ららぽーと+三井アウトレット」の大型商業施設が開業予定 他にも計画多数!“
関連記事
scroll