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Amazon Goなどの無人店舗の普及が消費者・小売業界にもたらすメリットとは?
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Amazon Goなどの無人店舗の普及が消費者・小売業界にもたらすメリットとは?
Amazon Goなどの無人店舗の普及が消費者・小売業界にもたらすメリットとは?
近年、コンビニに無人のレジが導入されたり、試験的に企業に無人店舗が導入されたりといった事例が多く見られます。
無人店舗は、従来のレジに並ぶといった概念がなくなるなどのメリットがあるため、消費者にとって需要のあるサービスです。
本記事では、無人店舗の事例や、無人店舗導入による消費者や小売業界へのメリットを紹介します。
無人店舗とは?
無人店舗とは、その名の通り店員がおらずに成り立つ飲食店や小売店を指します。近年では、生体認証技術やセンサー、AIカメラ、スマホアプリ等のデジタル技術を活用した無人店舗が増えています。
消費者は入店し商品を手に取り、レジを通ることなく退店することが可能です。財布や買い物カゴを持たずにサービスを受けられる事例もあり、消費者に便利な購買体験をもたらします。
AIを活用した無人店舗3つの事例
ここでは、近年注目を集めている無人店舗の事例を3つ紹介します。
Amazon Go、Amazon Fresh、ホールフーズ・マーケットなど
引用:Amazon公式サイト
Amazon Go、Amazon Fresh、ホールフーズマーケット等、Amazon傘下の小売店の無人店舗化が2021年ごろから進んでいます。それらの店舗では、Amazonが開発した「Just Walk Out」という無人決済技術を導入しており、消費者が「商品を手に取り、出ていくだけ」というショッピングを可能にしています。
無人店舗への入店方法には、Amazon GoアプリのQRコード認証、クレジットカード認証、手のひらでの生体認証(Amazon One)などがあります。ゲートを通り入店後、消費者が棚から商品を取ったり戻したりする動作をAIセンサーが検知し、仮想カート上で自動的に代金が計算されます。退店すると、消費者それぞれのクレジットカードやAmazon Goアカウントに対し代金の請求をし決済を完了させます。
参考記事:Amazon Go – 並びません。レジ会計がありません。- Amazon jobs
参考記事:Amazonがレジ無し店舗 傘下のホールフーズで – 日本経済新聞
このように、従来のレジの概念が完全になくなり、消費者はスムーズにショッピングを行うことができます。
Just Walk Outはアメリカやイギリスを中心に海外展開されており、Amazon Go会員向けのサービスと捉えられますが、日本では誰に対してもサービスを提供するという無人店舗が近年増えています。TOUCH TO GOがその1つです。
TOUCH TO GO
引用:TOUCH TO GO公式サイト TTG-MICRO | 太陽鉱油 千葉新港SS店
TOUCH TO GOは、「はいる。とる。でる。」をコンセプトにした、気軽に立ち寄れる無人AI決済店舗事業です。コンビニ業界での人手不足・労働力不足問題に対し、テクノロジーを導入することで省人化・省力化を可能にします。
TOUCH TO GOの無人決済システムでは、カメラにより人物補足データを、センサーによりリアルタイムな商品データを取得します。それにより、消費者が非対面の会計ゾーンに立つことで、自動的に商品の明細が表示され、ICカード等で決済を行うことができます。
このシステムは、高輪ゲートウェイ駅の店舗をはじめとし国内の企業など、2022年3月末時点で全13箇所に導入されています。
参考記事:株式会社TOUCH TO GO -日本で唯一実用化されている省人化無人決済店舗-
SECURE AI STORE LAB
事前にユーザー登録をすることで、顔認証による入店・決済ができる新体験型ストアです。AIによる顔認証決済や棚解析により、手に取ったものが自動で読み取られ決済モニターに表示されます。そのため、消費者は商品を手に取り顔認証を行うだけで、スムーズに買い物をすることができます。また店内のモニターには、手に取った商品の情報や口コミなどが表示されます。
消費者の便利な購買体験を叶えるAI STORE LABですが、店舗にとってはAI商品棚により、リアルタイムの在庫状況が確認できたり、消費者が手に取ったけど購入に至らなかった商品を把握したりといったメリットがあります。
参照:AIストアラボ企業様向けページ
参照:AIストアラボ顧客様向けページ
無人店舗の普及による5つのメリット
無人店舗を導入することにより、消費者と店舗(小売業界)双方に与えられるメリットは4つあります。
働き方改革や人手不足の解消に繋がる
日本のコンビニ等の小売業界では、賃金の安さ等の理由から人手不足の問題が深刻になっています。無人店舗を導入すると、レジ業務をAIに任せることができ、労働力不足の解消に役立ち、同時に人件費の削減が可能です。
在庫管理が容易になる
AIカメラ・センサーが設置された無人店舗では、消費者の商品取得データを検知できることがほとんどです。そのためリアルタイムで商品の在庫状況をデータ化することができ、商品の補充を効率的に行えます。
万引き対策ができる
AIカメラ・センサーでは棚から取られた商品や、商品を手に取った人物を検知します。また、無人店舗への入退場にはゲートを通るものや、顔認証をするものがほとんどですので、決済をしない状態で退店することはできません。物理的にゲートを突破された場合にも、店内にある複数のカメラで異常を検知し管理者に通知されることが多いです。
セキュリティ対策は、無人店舗のシステムにより異なりますが、AIカメラ精度の向上は今後も課題となっています。
データ収集により商品分析・ユーザー像分析ができる
AIカメラの精度が高い無人店舗システムでは、購入された商品はもちろん、商品を手に取った消費者の年齢・性別といった属性や、手に取られたものの購入されなかった商品を検知することができます。
例えばAI STORE LABの場合、そのような収集データから、商品配置の変更による売上の変化、商品毎の購入・手に取られた割合を把握することが可能です。
消費者はスムーズかつ効率的に買い物ができる
消費者が無人店舗を利用する際には、商品を手に取るだけで自動的に商品の明細が表示され、ICカードや顔認証により簡単に決済ができます。レジに並ぶ必要がないため、買い物にかける時間を減らせるというメリットや、非対面で入退店できるというメリットがあります。
無人店舗の普及は小売業界・消費者双方にメリットをもたらす
無人決済システムの導入により、小売業界にとってはキャッシュレス化等による人手不足問題を解消するだけでなく、商品の売上向上や消費者像に合わせた商品開発等のマーケティングに役立てるといったメリットがあります。消費者にとっても、非対面で効率的な買い物ができるというメリットがあります。
一方、セキュリティ対策のためにAI精度向上や、無人店舗導入コストを割くといった課題もあります。無人店舗導入にはコストがかかりますが、その後の人件費削減や商品分析による売上向上、正確な在庫把握による食品ロスの削減などのメリットに目を向けることが重要です。
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