ネット時代の広告会社への報酬

ネット時代の広告会社への報酬 - Truestar Consulting Group

ネット時代の広告会社への報酬

爺の雑言12 – ネット時代の広告会社への報酬

ロシアのウクライナ侵略が終わらない。狂ったのかプーチン(すでに皇帝でもあるかのごとき振る舞い)の暴走が止まらない。国民が選んだ大統領が勝手に皇帝化し、自らの欲望の為に独立国で、兄弟のようなウクライナを蹂躙する。ウクライナがロシア陣営から離れNATO寄りになるのを恐れての侵略だ。何故、ウクライナがロシア陣営から離れたがるのかを狂った皇帝には理解できないのだろう。国民の自由や平和そして民主主義がロシアにはないからだ。加えて経済的安定も望めないからでもある。NATOはNATO加盟国でないウクライナへ表立った武力支援はできない。武力介入を行えばそれこそ世界大戦のリスクもあり、核使用をちらつかせる狂った皇帝の思う壺で、更に狂暴化させることにもなる。唯一、狂った専制皇帝を止めることができるのは、プーチンを大統領に選んだロシア国民の良識と、彼らの行動による正義の為の「ロシア民主革命」だけだろう。その為には西側諸国は経済制裁でロシア国民の意識を変え、「反プーチンの声」を大きくする手助けしかないようだ。

さて本題に入ろう、2021年日本の広告費(電通発表)でネットが4媒体広告費を上回った。だが、広告費の媒体別構成変化は広告主にとって伝えるメッセージがそのまま媒体の伝達力や信頼性として担保され得ているのだろうか。ネット広告が増えれば、広告会社の仕事量はテレビ広告での仕事量より大幅に増えるようだ。媒体環境の変化は広告主と広告会社の関係にどのように作用していくのだろうか。

広告主の課題

メディアトレンドの中心は2021年日本の広告費に表れているようにネットになってきた。そしてその底流にあるテクノロジーの推移は著しく、ユーザーの行動にも変化を与える。それに伴もない広告主の課題は複雑化していく。

月刊JAA2022年1月号の「JAA会員社・重点広告課題アンケート調査」によると、広告主の取り組むべき重点課題の3番目に「デジタルマーケティングの実践」が上がっている(61.8%)。1番が「商品・サービスブランドの価値向上(68.6%)」、2番目に「企業ブランド価値向上(65.7%)」があがっているのは当然のことではあるが、「統合型コミュニケーション戦略の構築(47.1%)」や「広告予算・媒体間配分の最適化(45.1%)」を上回り。「広告クリエイティブの評価(8.8%)」や「広告取引の適正化・透明性(4.9%)」を大きく上回っている。デジタルマーケティングの実践は2019年(68.6%)、2020年(66.7%)でもトップであったが、やや減少傾向にある。もはやそれは重点課題ではなく日常のテーマになりつつあるのだろうし、いつまでも重点課題とするテーマでもないような気がする。。

広告主が取引している社外パートナーは、総合広告社(99%)、インターネット・デジタル系広告会社(80.4%)で、デジタルメディア(49%)、デジタル系広告制作会社(47.1%)の比率も上がってきている。デジタルマーケティングに強いアクセンチュアやデロイトなどのコンサルティング会社との取引(43.1%)は前年より17%も上昇している。

活用しているメディアでは、インターネット自社サイト(94.1%)でオウンドメディアとしての活用が一番高かった。一方、広告出稿費(制作費を含む)で見ると、テレビが42.8%でインターネットの(30.4%)を上回っていた。この面からJAAに加入している大手広告主は広告予算があり、テレビ広告を行える力があることを示しているのだろう。JAAの調査ではそうだが、日本の広告費から見るとネット広告費が上回っている。時々刻々と更新できるネット広告が増えると、広告会社の仕事はますます増えることになる。

広告会社のフラストレーション

当たり前のことだが、広告会社は慈善事業を行っているのではなくビジネスを行っている。稼げるビジネスと効率の悪いビジネスが混在する広告会社の仕事により広告会社のフラストレーションも溜まっていく。広告会社(社員)のフラストレーションには、絶対的業務量の多さがある。報酬に見合う業務かどうかを考えればとなおさらだ。また彼らは常に新規ビジネス獲得と売上増を求められ、得られる報酬との関係で常にチーム編成の適否が求められる状況にある。加えて、日常的にプロジェクトの進捗に追われ、社内と広告主とのコミュニケーションの問題や管理業務(アドミニストレーション)全般の多さは深刻になっている。そこには広告主への提供サービスと報酬への疑問もうまれてくる。

なかでも、コミュニケーションは広告会社の最大の頭痛のタネになっていると言われている。アカウント部門は広告主からの要求を聞くだけでなく、自社の媒体部門、クリエイティブ部門、SP部門など関係する部署が多いことによる社内調整や、広告主と媒体社との間に入った調整などのコミュニケーションが必要になる。コミュニケーションが上手くいっている間は広告主との関係も上手くいく。その他レポート作成や請求業務、買い付けや運用などの管理業務全般に多くの時間を割かれ、広告主からの要求に応えていかなければいけないというプレッシャーを感じ続けながら広告会社社員は仕事をしている。特に、ネット広告の比率が高まるほどに彼らは時間に追われ、ストレスは過大になっている。それが報酬として見合っていればまだ良いのだが。

広告会社が広告主プロジェクトにかかわる担当者の人数や質とプロジェクトに掛けられる時間は、当然のことに広告主から得られる報酬の多寡が大きくかかわることを広告主は理解しなければいけない。

広告主のフラストレーション

広告主の多くは、生産性が高く、優秀で、結果を出し、他より安い広告会社のサービスを求めている。広告主が広告会社との関係を語る時、クリエイティブ表現力と制作力、市場分析力、媒体購買力、それらのサービスに対する報酬の問題、原価開示の問題が上がってくる。そして広告会社の組織や人材の対応力についても話が及ぶ。それは「広告を取扱う量とサービスの質の関係」でもある。広告主側から見ると、広告会社の①クオリティ②業務シェアリング③コミュニケーション④リードタイムや返答までの時間⑤業界知識不足などにフラストレーションがあるようだ。広告主側では常に報酬は十分に払っているにもかかわらず、広告費が効率的にあるいは安価で購買できているかに疑いを持っている。一方、広告会社が感じる作業量やタスクの多寡などにはあまり興味がない。多くの広告主は広告会社との間に生じるプロジェクト・マネジメントでの連絡や報告の頻度や内容に不満も持っているようである。

アカウント担当者の力量が差を生む

広告主と広告会社の間での取引を見てみると、アカウントチームが窓口になって各種サービスを行っている。広告主の依頼によって違ってくるが、広告会社は広告主にブランドへの助言およびプランニング、クリエイティブ立案、クリエイティブの制作 、媒体計画、媒体購入、販売促進としての販促物、POP、景品などの提案・制作、もろもろの調査やそのサポート、PRの立案、実施、さらにはそれらの運営管理などなど色々なサービスを広告取引として広告主に行っている。ネット広告が増えた今、ネット制作への日々更新で広告会社の社員のモチベーションは向上するどころか疲弊している。

広告コミュニケーションは広告主のためにやるもので、その最終責任は広告主にある。よって、パートナーとなる広告会社選びから、報酬、契約、透明性確保、成果確認実施、評価システム導入などは広告主が責任をもって決めなければいけない。

広告会社での業績の大部分は、一般に手がけたキャンペーンの有効性によって評価される。広告がクライアントのビジネスに寄与しなかったら、広告会社はクビになる可能性もある。優れたアカウント担当者は、広告主の目標達成に向けて戦略・問題解決処方箋を立て、開発から成果確認まで関わり次に繋げる役割を担うことができる。そして非常に勇気のいることではあるが、広告主に「違うことは違う」とはっきりと物言いができる真のプロフェッショナルなのだ。現代の広告会社のアカウント担当者(営業)には広告主との強い信頼関係と広告会社の社内を仕切る高い見識と能力と人間性も必要とされている。得意先である広告主との関係を良好にし、広告会社が提供できるサービスを最適化し広告主に満足を与えることができる能力が求められいる。

報酬への常識を変えてみる

広告主が「広告取引の透明化」を求めるなら、広告主が担当する広告会社への適切な報酬を支払ってこそ実現するものと考える。それは広告会社社員の仕事量に応じた報酬の実現でもある。フィーでの支払いはその点でコミッションよりもフェアであるとも言える。しかしながら運営の手間や広告会社社員のモチベーション向上には少々難があることも事実である。モチベーションを上げるために成果報酬を入れる広告主も多くある。それでも相互満足とはいかない。

広告主は報酬を少なくして、広告活動に費用を多く投下したいと考える。一方、広告会社は報酬が少ないなら他の方法で収入を得ようとする。それはどちらにもウイン・ウインの関係とはならない。

ネット広告が多くなり、広告会社の絶対的作業量は増えている。そこには仕事量に見合わない報酬が問題となる。テレビは媒体購入額に比べて報酬部分の比率は少なくてもマネージができるが、ネットは媒体投下費用に比べて報酬部分比率が高くないとマネージできないからだ。そこで提案だが、広告費総額(報酬も含む)を提示し、広告会社が1年間必要とする報酬を決め媒体購入、制作業務など最適な人員編成を示してもらう方式はいかがだろうか。それってフィーじゃないと言われるかもしれないが、フィーは仕事量の積み上げ方式である。広告主は前もって報酬と広告にかける費用を予算化する為、フィーとは言え必ずしもフェアではない。ましては成果報酬があれば、それも予算化されているので、予算のフレキシビリティには限度がある。報酬に限度があれば、作業量の少なく、儲けの良い媒体を選んでしまうのは人の常でもある。媒体社との価格交渉においても力が鈍ることもあるかもしれない。この案はフィーとは逆からの発想になる。まず、広告費総額(報酬も含む)から広告会社が必要とする人員によるチーム編成するための報酬部分を出し、報酬を除いた額で広告活動をすることになる。報酬部分と広告活動費用部分で広告主が出せる総額は明らかなので、広告活動費用の部分のコスト交渉にも力が入る。そうすれば、広告会社もバカではないので、広告活動の成功には少数精鋭のチーム編成と効果的媒体(SPも含む)選択をして広告活動案を実施することになる。そして言うまでもないが、媒体購入、制作業務などは取引における費用については原価開示が原則となる。何故なら、適切な報酬を得ていれば、 他のところで稼ぐ必要もなくなり、原価開示をしても何も恐れることはなくなるのではないだろうか。コミッション率の交渉やフィー報酬に多大の時間を費やすこともない。この方法なら原価開示への道を開きやすくなる。そろそろ報酬への常識を変えてみてはいかがだろうか。

ネットが4媒体広告費を上回ったが、広告としての力には疑問もある。確かに、老人を除いてネット利用者、利用時間は多いのだが、はたして広告を見ているのだろうか。YouTubeに流れるCMは5秒すればスキップできる。メール広告は開かずに削除できる。周りの若者に聞いてもネット広告なんて見ないと言う。爺にはチラシ広告や看板広告程度の力しかないのではと見えてしまう。確かに、HPはCMタレントなどに興味のある人が訪れるので購買に結びつく可能性があるが広がりがない。HPはオウンドメディアなのでショートフィルムなどの充実で訪問者を増やすことも可能ではあるが。わざわざ必要がなければ訪れることもない。

とは言え、スマフォアプリの多くは広告費がなければ自由にいつでも利用できない。その点では利用者としての爺はネット広告費が多く投下されるものを否定はしない。だが、テレビと同じ程度の視聴率などを公開するオフィシャルなレポートがあっても良いのではないだろうか。単に利用者が多いからネット広告という発想を、広告効果が高いからネット広告という証明が欲しいものである。