EC shopping

EC サイトの要らないものを買わせる罠

アメリカのほとんどが コロナウイルス の 影響で ステイホーム していた 去年 4月、 Amazon は 自社 の EC サイト上での パンデミック関連の商品への 急激な 需要拡大への対応に 追われていた中で、対策の一つとして、 自社の通販サイトに わずかな仕掛けを 施しました。それによって、ユーザー が より多くの商品を買う のではなく、「より少なく買う」ように コントロール したのです。  その仕掛けとして具体的に、商品を 注文するまでの プロセス や 表示する在庫数 を変更しました。加えて、これまで Amazon の特徴的な機能とされてきた おすすめ商品 や 関連商品 などを表示する レコメンデーション機能 が停止されました。

このように、 サイト上の機能 によって 消費者の 購入数は コントロール されていることが多いといいます。一般的に 消費者により 長時間サイト上に 滞在するように、 より多くの 商品購入 を促すように 設計されています。多くの場合は、 「 5000 円以上のご購入で送料無料」 など、消費者にとって 悪いものではありません。 しかし、中には不明瞭なものもあり、それらは近年 EC サイトの「ダークパターン」と 呼ばれています。

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ダークパターンとは

ダークパターン とは、「企業やブランドの 利益追求のために、ユーザーが 本当だったら買わない商品を 購入するように仕向ける デジタル機能設計」と定義されています。例えば、 ユーザーに 広告配信のために Emailアドレス を要求する際に、拒否するボタン よりも許可のボタン を大きく、明るくすることによって ユーザーの行動を コントロールすることも ダークパターン の一つになります。

去年、アメリカの プリンストン大学 と シカゴ大学 によって発表された研究∗によると、分析された 11,000 ページ の オンラインショッピングサイト のうちの 約 11 % 以上でダークパターンに分類される機能があったことが分かりました。また、ダークパターン が検出された 11%の中には、Fashion Nova J.C. Penny などの大手の EC サイトも含まれていました。

ダークパターンは 消費者心理を 操る

ダークパターン の多くは、消費者心理を 応用して デザインされています。例えば、「 同調圧力(peer pressure)」です。プリンストン大学 の研究により、消費者心理に 同調圧力を 起こさせる ダークパターン が何百もの オンラインサイトに 見つかりました。その 代表例 として、ユーザーが サイト上で 商品を 閲覧している際に表示される、「あなたの他に 35 人 のユーザーが現在のこの商品をチェックしています」という通知です。

先ほどの 研究で、いくつかのサイトにおける このよう通知は 人工的に 作られたもので、嘘で あることが 分かっています。” 他の人もその商品を 買っている ” という情報を 与えることで、買う価値がある とユーザー に思わせることが目的です。

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賢いマーケティング と ダークパターンは 隣り合わせ

EC サイトの利用者が 増えている中で、様々な ダークパターン が インターネット上に存在しています。しかし、すべての ダークパターン が消費者にとって  悪質であるかどうかは定かではありません。効果のあるマーケティングでは、消費者心理・行動を刺激することを目的とします。 そのため、賢いマーケティング戦略とダークパターンと呼ばれるデザインの線引きは 曖昧になっています。

はじめに触れた Amazon の 商品レコメンデーション機能 も線引きが難しいマーケティング施策の一つと言えます。 Amazon 上である商品を閲覧すると、「この商品と一緒に購入されている商品」が表示されます。このようなレコメンデーション機能は、 消費者にとって要らないものを買わせる仕組み と捉えられる一方で、ユーザー の買い忘れ防止 や 購入の必要性を リマインド させるものとして実際に消費者のためになるシステムであるとも言えます。

 

参考:

Wired “The Subtle Tricks Shopping Sites Use to Make You Spend More” Louis Matsakis (https://www.wired.com/story/amazon-online-retail-dark-patterns/)

∗ “Dark Patterns at Scale: Findings from a Crawl of 11K Shopping Websites” (https://arxiv.org/pdf/1907.07032.pdf)