コカ・コーラに見るコンテンツマーケティング

近年、効果的な広告宣伝の制作では、コンテンツマーケティングが重視されています。コンテンツマーケティングとは、「対象ユーザーにとって高品質なコンテンツの提供を通して、見込み顧客のニーズの育成・購買を得て、ファンとして定着させることを目指す」マーケティングの手法です。では、ユーザーにとっての「高品質なコンテンツ」とは具体的にどのようなものでしょうか。コンテンツマーケティングが生まれた背景と、2大コーラ飲料メーカーのブランディング戦略の違いから、「高品質なコンテンツ」とは何かを考えます。

コンテンツマーケティングが必要なワケ

近年においてコンテンツマーケティングが生まれた大きな理由に、市場の成熟があります。現代の市場には同じような商品が何種類も存在します。その中で、様々な技術の発達によって、商品の違いによる品質は差が縮まりました。価格競争や品質の訴求にも限界があり、商品の差別化を行うことがさらに難しくなりました。結果として、消費者にとっても「選択肢が多すぎて、何を買えばいいのか分からない」という状況が生まれています。

そこで生まれた、「価格や性能以外の要素で他の商品やサービスとの差別化を目指そうとする動き」こそが、コンテンツマーケティングの始まりです。そのため、コンテンツマーケティングはモノが溢れ複雑になった現代またこれからの市場において、重要な手法になります。

コンテンツマーケティングはブランディングに直結する

コンテンツマーケティングは、その名の通りコンテンツが重要になります。このコンテンツとは直訳すると「内容」という意味です。それでは、どんな内容を顧客に発信すれば、ブランドの認知度、また売上の向上につながるでしょうか。その際にポイントとなるのが、ブランディングです。ブランディングで導かれた「ブランドが顧客に伝えたいメッセージやイメージ」につながるコンテンツをつくることでより効果的なマーケティングを行うことできます。

ブランディングは、「どんな商品を提供しているか」ではなく、「商品を通じてどんな価値を提供しているか」を消費者に対して発信することです。分かりやすい例として、スターバックスコーヒーがあります。スターバックスの商品は、コーヒーやフラペチーノなど質の高い飲み物です。しかし、ブランドが顧客に提供する価値は、それらの商品そのものではなく、それらの商品とともにゆっくり過ごせる「場所」にあります。スターバックスは、顧客にとって家でも職場でもないけれど、親しみや愛着を感じられるスペース、「サードプレイス」を提供しています。

このように、商品そのものの提供をアピールするのではなく、その商品の販売を通じてどのような価値を生み出したいか、どのような世界を実現したいかを発信することが、これからの時代において自分たちを差別化する手法になっていきます。

品質の差別化が難しいコーラ飲料の「売れる」ためのコンテンツ

品質においての商品の差別化が難しくなっていることが、コンテンツマーケティングが生まれた背景であるという話をしましたが、商品やサービスの特徴によって元来、質によって差別化されない業界も多々存在します。その代表例に、コーラ飲料があります。業界の主なプレイヤーであるコカ・コーラとペプシ・コーラの2つのブランドが長年にわたってシェアを競ってきました。

これら2つのブランドのコーラの味に違いはあまり見られません。実際に、消費者はその違いを認識できないということが科学的に証明されています。しかし、興味深いことに科学雑誌ニューロンが行った実証実験によると、ブランド名が分かった上で、両社のコーラを飲み比べると、コカ・コーラの方がより多くの人に支持されるといいます。なぜ、品質に違いはないにも関わらず、ブランド名でこのような違いが生まれるのでしょうか。

それは、「コンテンツマーケティング」の効果であると言えます。ペプシ・コーラは、商品を中心にした広告宣伝を行う一方で、コカ・コーラは商品の持つ世界観をアピールする広告宣伝、すなわちコンテンツマーケティングを行っています。両社が広告宣伝を行うInstagramのページを比べてみると、その違いが分かります。

ペプシコーラは、商品の写真が主に投稿されています。一方でコカ・コーラの投稿は、商品が写っていないものが多くあります。商品の代わりに、人種差別反対や家族や友人と過ごす大切さなど価値観を表すメッセージを発信しています。このような商品の価値を伝えるのではなく、ブランドそのものの価値観や理想を消費者に伝えていくことで、ブランドに対して信頼と親しみを持ってもらうことを目指してきたのが、コカ・コーラなのです。その結果として、より多くの人に選ばれるようになったと考えられています。

☞ブランドの社会的責任に関する記事はこちら「なぜ今ブランドアクティビズムが重要か

コンテンツマーケティングでは、コンテンツによって顧客に夢や理想を抱かせることが大事です。「どんな世界を実現したいか」という消費者の心に訴えかけるメッセージを伝えることが重要になります。

参考:Markezine「二大グローバル飲料メーカーに学ぶ、ブランディング×コンテンツマーケティングの重要性」

(https://markezine.jp/article/detail/34636)

参考:

Coca Cola instragramページ(https://www.instagram.com/cocacola/)

PepsiCo instagramページ(https://www.instagram.com/pepsico/