広告評価に不可欠なアトリビューション分析

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今回は、広告評価に欠かせないアトリビューション分析について解説します。

オンライン広告は、顧客との繋がりを明確に数値化できる大変便利な手法です。オンライン広告を通じてもたらされるデータには様々な種類がありますが、直接的な指標にばかり気を取られていては広告全体の最適化を目指せません。顧客がどのようなプロセスを経てコンバージョンに至ったのか、あらゆる要素を総合的に分析し、より効率的なアプローチを展開する必要があります。

 

1. アトリビューション分析

‘‘Attribution’’とは、日本語で「帰属」を意味します。顧客のお買い上げが何によってもたらされたのか、それぞれの広告に結果への貢献度を割り振る分析手法が、アトリビューション分析です。広告の直接的な効果だけでなく間接的な効果もあわせて考慮します。

例えば、下の図のような流れを想定してください。

①ネットユーザーのAさんはまずバナー広告で商品Xを認識し、そのタイミングではアクションを起こしません。

②数日後、AさんはFacebookやYouTubeなどのSNSから商品Xの詳細な中身を調べ、この時も購入には至りません。

③さらに数日後、Googleの検索結果から商品Xのウェブサイトを訪れたAさんは、安全性や商品内容を再確認し、最終的な購入に至ります。

今回、売買成立と直接に関連しているのは商品Xのウェブサイトです。

また、Googleからのサイト流入がスムーズに行われた結果であるとも評価できます。

このように、従来の広告評価方法では、主にコンバージョンの直前であるラストクリックのみが重視されてきました。ラストクリックによる分析の下では、商品Xの企業が得られる示唆は限定的です。

例えば自社ウェブサイトの整備と、検索流入を見据えたSEO施策を進めるべき…ということになります。

ただ、本当にそれだけで良いのでしょうか。

今回のケースにおいて、バナー広告やSNSが全く役に立たなかったと考える人は少ないでしょう。バナー広告は顧客の認知を形成し、SNSは詳細情報を届けています。こうした間接的な広告効果を推定し、最適な資源配分を目指すのがアトリビューション分析です。

 

 

2. アトリビューション分析のメリット

メリットは大きく分けて2つです。

①顧客理解によるアプローチの構築

顧客が何をみて自社商品を認知し、惹かれ、購入に至ったのか、パーチェスファネルをさかのぼって広告を評価し、効果的なアプローチを組み立てることができます。認知不足を改善すべきか、興味関心を刺激すべきか、広告目的の明確化に役立つのです。

☞顧客理解に関連する記事はこちら「消費者パワーと顧客中心マーケティング

②予算配分の最適化

広告の成果を数値で把握できれば、各広告の単価をいくらに抑えるべきか論理的に導くことができます。直接コンバージョンに繋がったラストクリックばかりに予算を割いてしまうと、新規顧客の開拓や商品認知の普及が手抜かりになる可能性があります。

 

 

3. 6つのアトリビューションモデル

アトリビューション分析は、分析者が適切だと考えるウェイトを割り当てた上で、各要因の貢献度を推定します。分析者自身がコンバージョン経路のどこを重要視するかで重み付けが異なり、それらはアトリビューションモデルと呼ばれます。一例として、Google 広告で利用されるアトリビューションモデルを6つ説明します。

a.) ラストクリック最終的にコンバージョンへ繋がったラストクリックの広告・キーワードに100%の重み付けをするモデルです。従来型の手法になります。

b.) ファーストクリック 顧客の認知につながった最初の広告・キーワードに100%の重み付けをするモデルです。先の例で言えば、バナー広告の貢献度を非常に高く評価します。

c.) 線形アトリビューションモデルコンバージョン経路の各接点となるすべての広告インタラクションに均等な重み付けを行います。先の例でいえば、バナー広告、SNS、自社サイトそれぞれの貢献度を一律に捉えます。

d.) 減衰アトリビューションモデルユーザーが直近で接した広告インタラクションに最も高い重み付けを行い、そこから徐々にウェイトを減らしていくモデルです。コンバージョンから7日前の広告だと、おおよそ半分くらいの重みになるよう計算されます。

e.) 接点ベースファーストクリックとラストクリックにそれぞれ40%の重み付けを行い、残りの20%はその他の接点へ均等に割り振られます。商品の認知に至ったポイントと、コンバージョンに繋がったポイントを重視しています。

f.) データドリブンアカウントのデータが十分に蓄積されている場合には、過去のデータを利用して実際の貢献度を計算し、ウェイトを割り振ることができます。他のモデルとは異なり、複数の取引をダイナミックに捉え広告インタラクションを評価します。

 

 

4.まとめ

以上、アトリビューション分析についてのメリットやいくつかのモデルをまとめました。

アトリビューション分析は複数の広告による間接的な効果を分析し、適切な資源配分やより良い顧客理解を目指すものです。それは従来のラストクリック偏重型の広告評価に取って代わる手法と言えます。

近年ではデータドリブンマーケティングが叫ばれ、広告評価においても時系列やCVパターンを考慮したアトリビューション分析の導入が増加しています。

アトリビューション分析は、ラストクリック以外も含めて顧客が接したあらゆる広告効果を加味します。よって、それぞれの広告と顧客のインタラクションが見逃されず、より正確な貢献度を評価できるのです。

 

【参照】

・Google広告「アトリビューションモデルについて