戦略的なターゲティングのポイント

マーケティング戦略を編み出すはじめのステップはSTP分析と言われています。セグメンテーション(市場細分化、Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の3つを通して、自社が提供する価値を明確にし、売上を促進させます。この記事では、その要素の1つであるターゲティングを、戦略的に行うためのポイントを紹介します。

戦略的なターゲット設定

ターゲティングとは、商品やサービスの販売を狙う市場や顧客層(セグメント)を決定することです。戦略的なターゲティングは、適切なセグメントを選択することだけでなく、そのセグメントに対してどのようにして狙いを定め、販売を促進させるかを具体的に決定することが必要です。そのように効果的に狙いの焦点を絞るためには、以下の4つポイントがあります。

①ターゲティングと企業のVSA(ビジョン・戦略・行動方針)を連携させる

VSA(Vision, Strategy, Action)とは、企業が掲げる、ビジョン・戦略・行動方針で構成される目標管理のことです。KPIやBSCなどの数値による目標管理に代わり、近年ではVSAのように「ビジョン」に基づく目標管理を行う企業が増えています。

  • ビジョン:だいたい5年後以内に実現を目指す企業の姿
  • 戦略:ビジョンを実現するための約3、4年以内に実行するべきプラン
  • 行動方針:直近の1~2年間で実行すべき施策方針

ターゲットの設定は、VSAのそれぞれとの関連を意識することが大切です。ターゲットにする顧客層の選択は、企業が目指す将来の姿・イメージであるビジョンに大きく影響します。また、企業が持つVSAを軸として、ターゲットを設定することで、提供する価値を効果的に確立させる狙いがあります。特に、企業が示す行動方針と設定したターゲットセグメントの相互を連携させることが重要です。ターゲティングの目的は、ターゲットを無理に1つに絞ることではなく、ニーズに上手く合ったターゲットを導き出すことです。その中でターゲットとするセグメント自体が、POD(ブランドの差別化ポイント)となり、売上が伸ばす要因となることもあります。

ターゲットとする基準のバランスを考える

ターゲットの設定において注意すべきなのが、必要以上に基準を制限し狙いを狭めることです。ターゲットを定めるには、様々な基準を明確にする必要があります。例えば、以下のような項目においてどこに基準を置くかのバランスを戦略的に考えます。

  • 現在志向/未来志向
  • 外部環境/内部環境
  • 量重視/質重視
  • グローバル/ローカル
  • オフライン戦略/オンライン戦略
代替案を立てる

ターゲットとするセグメントが決定しても、それがあとから変わる可能性は大いにあります。それは、市場の需要やセグメントのニーズが変わりやすい場合があるためです。また、決定したターゲットへのアプローチが計画通りにいかないこともあります。物流経路が確保できなかったり、文化的な面で商品がターゲットとする顧客に受け入れられない可能性もあります。特に、海外などの新しい、馴染みの薄い市場を狙う際には、代替案プランBを用意することはとても重要です。

④セグメントを集約させる

最後に、ターゲット設定で踏まえておきたいのが、異なるセグメントを集約してターゲットとして設定できるかを吟味することです。セグメントを集約することで、企業がもたらす価値の規模拡大の可能性が高まります。異なるセグメントをただ集約するのでは、ターゲティングの意義が失われるため、集約のための条件をしっかりとクリアしているかどうかを見極めなければいけません。まず、異なるセグメントの中で、集約につながる共通点を見つけます。また、セグメントの間で重要と供給において相乗効果が存在するかが集約すべきか否かの判断基準になります。

参照:ポストcookie時代におけるターゲティング広告