物質主義の先にある、これからの消費動機

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カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル(Cannes Lions International Festival of Creativity)を耳にしたことがあるでしょうか。毎年6月下旬に、フランスのカンヌで開催される世界3大広告・コミュニケーション関連アワードの一つです。いってみれば、広告業界のカンヌ国際映画祭のようなものかもしれません。しかし、入賞する作品のクリエイティビティなどから、広告業界以外からも注目されており、期間中は1万5千人以上の来場者が集まります。

今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、フェスティバルは開催中止となりましたが、アワードのPR部門が設立から10年の節目であること受け、6月に期間限定で特別ウェブサイトが設けられました。このサイト(「Cannes PR Lions 10 YEAR EXHIBITION IN JAPAN」)では、PR部門の過去の受賞作品の中から選ばれた50作品が無料で公開されました。受賞作品はどれも人々の考えに影響を与えるようなクリエイティビティに溢れるPR動画となっています。それら作品の中で特に注目したいのが、社会問題と関連付け、社会の情勢に呼応するPRが支持されていることです。

物質主義の先の消費動機

一般的にの企業の広告は商品やサービスの物質的な特徴にフォーカスしたものが主です。消費者側も商品を購入する際、商品自体の特徴から選ぶというのが基本です。このような物質主義な消費動向が人々の中で当たり前に存在しています。けれども、これからは物質にこだわるのではなく、社会問題を取り上げ、消費者の心理に訴えるPRが注目されます。カンヌライオンズのウェブサイトで取り上げられたPR受賞作品は関連する社会問題によって、下のようにカテゴリー分けされました。

ダイバーシティ(多種多様性)

人種や性別、LGBTQ、年齢、価値観などに関係なく、多様な人材を積極的に活用しようという考え方。

ジェンダー問題(男女格差)

社会的、文化的な性別にもとづく、偏見や差別。また、男女間での雇用機会や賃金等の不平等を意味する。

環境問題

地球温暖化を含む気候変動やプラスチックによる海水汚染、工場の排気ガスによる大気汚染、森林伐採、砂漠化などの地球が抱える様々な環境破壊の問題。

インクルーシブネス

個人間の様々な違いを受容し合い、同じ目的のために協力しようという姿勢。

フード&ヘルスケア

食品に含まれる砂糖や添加物の量が多大なために、もたらされる健康被害。

社会問題に積極的に貢献することが、企業が消費者を惹きつけるPRを行うための重要なポイントになると予想されます。CSRと結び付けた広告活動をする企業も増えています。人々に支持される広告やPR動画が、時代の変化と共に移りゆく消費動機を読み解くヒントになります。

参考:WIRED「この時代ならではの「消費動機」とは?:カンヌライオンズPR部門過去受賞作に見た“物質主義“の先にあるもの」(https://wired.jp/2020/06/24/cannes-pr-lions-10years/