顧客の信頼を生み出すブランディングの基盤とブランド価値の測定

今回はマーケティングにおいて重要な要素の一つであるブランディングについてお話したいと思います。ブランディングは、商品の売り上げを大きく左右するものです。実際に、M&Aによって商品のブランディングの方向性や手法が変わったことで、売り上げが大きく低下したり、または増加することがしばしば見受けられます。

ブランディングとは

一般的にブランドと聞くと、企業やお店の名前やロゴ、イメージカラーなどが思い浮かぶのではないかと思います。しかし、マーケティングにおいてのブランドは、複雑な要素が組み込まれた概念を意味します。そもそもブランドとは、企業と顧客の間で生まれる付加価値であり、企業と顧客の信頼関係が資本化されたものとも言えます。

ブランディング構築の基盤 ― ブランドパーソナリティー&ブランドアーキテクチャー

効果的なブランディングには、ブランドを構築する要素を注意深く決定する必要があります。

ブランドパーソナリティーとは、そのブランドの特徴を人間的要素で示したものです。具体的には年齢、性別、性格的特徴などががその主な要素になります。例えば、エナジードリンクのレッドブルブランドパーソナリティーは、16歳から25歳の男性(又は女性)と位置づけられます。性格的な特徴は、活発であったり、挑戦的、意欲的などがあげられます。このように、ブランドを人として捉え、特徴を描くことで、その複雑な概念がどのように構成されているかを具体的に把握することができます。

ブランドパーソナリティーを特定した上で、次に考慮するべきはブランドアーキテクチャーと呼ばれるものです。それはブランドの構造を明確にすることを意味します。ブランドアーキテクチャーの目的は、そのブランドが提供する商品やサービスが持つ特性を顧客の求める心理的な効果と結びつけることにあります。ブランドの構造はピラミッド型に表されますが、土台となるもっとも下の層は「商品が持つ特性」になります。次に、「その商品の利点」を商品の特性から見出します。そして、重要なのが以下の点から「商品が顧客にもたらす心理的利点」を明確にします。先のレッドブルを例にすると、それを飲むと目覚める、心身共に強くなる気がする、エネルギーが湧いてくるなどの心理的利点があります。このようなブランドの商品が顧客に与える心理的な利点は、ブランドそのものの要素や価値を決定づけるものなのです。

ブランド価値の測定

ブランディングとはこのように入り組んだ構造をしています。よって、成功したブランディングには多大な価値が生まれます。世界で最もブランド価値が高い企業は、皆が知る米国企業Appleですが、その価値はなんと約2,144億ドル(日本円で約24兆4000億円)となっています。ブランドの価値を算出するには複数の方法がありますが、中でも顧客側から見るブランド価値を計る場合には、Young & Rubicamという大手広告代理店が用いるBAV (Brand Asset Valuator)という指標が広く利用されています。BAVはブランドの「区別性」、「適切性」、「世間で評価」、「業界の知見」の4つの要素を評価し、価値を測定します。これら4つの要素は顧客がブランドに対して求める特徴です。全ての要素が満たされているほど、ブランドの価値は高まり、より強いブランドと認識されるのです。(日本経済新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36130170U8A001C1000000/)