回帰分析をマーケティングに活用する

近年、ICTの発達によって、ビジネスにおいてのビッグデータの活用が注目されています。データの活用には、集めたデータに対して効果的な分析を行うことが必要不可欠です。その中で特によく用いられる分析方法のひとつに、「回帰分析」があります。マーケティングは、4Pなど分析すべき要素が多数あり、データが複雑になります。しかし、回帰分析を利用することでその複雑なデータを有効に活用できるようになります。マーケティングの要素と売上の関係を明確にし、どのようなプランを実行すれば売上を伸ばせるかが予測できます。

回帰分析*とは

回帰分析とは、データを関数に当てはめることによって、2つの変数の関係性を検証するものです。近年では、回帰分析を自動で実行してくれるソフトウェアが様々な目的や現場で利用されています。分析したいデータを入力すると、ソフトが解析した統計数値を出力します。出力される数値には簡単に以下のものがあり、それぞれが変数の関係性がどのようなものかを示しています。

  • 回帰直線(regression line): y = ax̟ + b で変数間の相関関係を表す
  • 係数(coefficient):回帰直線のaのこと。変数xが1単位変化したときに起こる、変数yの変化量を表す。
  • 決定係数(r²):回帰分析によって求められた、変数の予測値が実際の値とどれくらい一致しているかを表す。決定係数が大きいほど、予測値が実際のデータと当てはまっていることを示す。
  • P値( p-value):分析から得られた変数の相関関係が、サンプル以外の同種類のデータにも当てはまるかを表す(回帰分析における信頼係数のこと)。P値が小さいほど(10%以下であった場合)、分析から導かれた相関関係は正確であることを示す。

マーケティングにおいての回帰分析の活用例

実際の例として、回帰分析は、マーケティングミックス*³のひとつであるプロモーション(広告や割引、その他キャンペーンなど)のプランを立てるときに活用されます。プロモーションは、お客さんの購買意欲を促進することができる反面、過度に行うと利益の落ち込みやブランドのイメージ低下につながります。売上を上げる効果的なプロモーションには、「この割引キャンペーンは売り上げに効果があるのか?」、「いくつのプロモーションを実施すれば、顧客の意思決定に影響を与えることができるか?」などの最適な頻度や範囲の検証が求められます。そこで、回帰分析を利用し、プロモーションと売上の関係性を明確化することによって、それを可能にします。

また、回帰分析をマーケティングに活用する利点に、2つの変数だけでなく、ある変数と複数の変数の関係性を同時に分析できることがあります。売上とプロモーションだけでなく、売上とプロモーション、価格、商品の質など複数の要素を分析できることになります。

そこで、覚えておきたいものがマーケティングミックスモデル(MMM)です。この複数の要素の時系列のデータを分析する*²ことによって、それぞれの要素がどのように売上に影響するかをモデリングし、可視化します。マーケティングの要素は4Pで表されますが、それ以上の様々な要素が関係しています。プロモーションの中でも、広告と割引などにに分かれたり、商品の流通なども売り上げに関わっています。このように、様々な要素のデータを分析する手段として、回帰分析が使われています。

回帰分析 (参照:Rを使って線形回帰をスクラッチで実装する

*²時系列分析(参照:はじめての時系列分析①【Python】

マーケティングミックスマーケティングミックスが持つインパクトを理解する